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適格消費者団体、〝定期縛り〟で初の差止訴訟

2017年 1月26日 11:53

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ここ最近、健康食品や化粧品のネット販売手法で消費者団体が問題視する"定期縛り"を対象にした初の差止請求訴訟が提起された。提訴したのは、サン・クロレラ販売に対する差止請求訴訟で知られる適格消費者団体の京都消費者契約ネットワーク(KCCN)。1月11日、京都地裁に健食のネット販売を行うBRONXの表示に対する差止請求を求めた。

BRONXが販売する「ナチュラルオリジナルスムージー」の販売を巡るウェブ上の表示に対し、景表法上の違法性を指摘した。BRONXは「訴状が届いていないためコメントできない」としている。同種の販売手法を巡って消費者庁が景表法に基づく行政処分を行った例はなく、司法の場で違法性が認められれば今後の法運用に影響を及ぼす可能性がある。

 商品は「キレイ痩せコース」の名称で通常価格が3280円(税別)のところ、70%割引の特別価格である980円(同)で販売されていた。BRONXは、「こんな悩みがたった980円で解決するとしたら?」「70%オフの980円(1日あたり32円)でダイエットが続けられます」などと広告。ただ、実際は5カ月間の定期購入が最低利用期間が定められており、2回目以降の購入価格は3280円(17%オフ)。初回を含め計5回の購入が義務づけられ、支払総額が1万4100円になる点のウェブ表示は「980円」の表示の半分以下のポイントで記載されている。こうした表示が「有利誤認」(商品価格など取引条件についてほかの事業者より著しく有利であると誤認させる)にあたるとしている。

 KCCNでは12月末、BRONXに差止請求書を送付。回答が得られなかったことから訴訟に踏み切った。

 国民生活センターに寄せられる相談件数も年々増加している。「初回無料」などとうたいながら、実際は定期購入契約だったトラブルは、2011年以降、約1万2000件寄せられている。年度別の相談件数でも15年度の相談件数は5620件。11年度(520件)の10倍以上に膨れ上がっている。

 こうした状況を受け、"定期縛り"を巡る消費者団体の監視強化も進んでいる。昨年1月には、消費者被害防止ネットワーク東海が青汁のネット販売を行うメディアハーツに申し入れを行ったほか、ひょうご消費者ネットが同じく健食のネット販売を行うビケンコやクワンジャパン、JBSコスメティックに、全国消費生活相談員協会がビーボに、埼玉消費者被害をなくす会がモイストに同様の表示改善を求める申し入れを行うなどしている。

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