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衣料品ネット販売支援の新潮流 マガシークが新規参入へ、「ゾゾ」は大手囲い込み加速

2010年 5月17日 10:41

 アパレル企業が自社通販サイトの運営やフルフィルメント業務を衣料品ネット販売専業企業に委託するケースが増えている。これまで、スタートトゥデイがユナイテッドアローズ(UA)など6社から業務を受託し、支援事業を軌道に乗せつつあるが、今春からはマガシークも同事業に参入。スタートトゥデイの牙城に迫れるか注目される。

 先行するスタートトゥデイは、人気の高い大手アパレルの囲い込みを加速している。

 同社はこのほど、セレクトショップ大手のシップスが6月18日に開設する自社通販サイト「シップスオンラインショップ」の運営支援業務を受託した。

 実際の業務は「ゾゾタウン」運営のために構築したシステム、物流インフラを活用して、100%子会社のスタートトゥデイコンサルティングがサイトのデザイン制作や物流業務、マーケティング支援などのフルフィルメント全般を請け負う。

 スタートトゥデイは、大型案件だけでも09年3月のビームスを皮切りに、同年9月には伊勢丹とUA、12月にオンワード樫山の通販サイトの支援業務を受託。今回のシップスは7社目となる。

 今後は、「海外アパレルも含めて幅広いファッション領域をターゲットにする」(前澤社長)としており、11年3月期には支援事業を受託しているアパレルメーカーの商品取扱高を前年比55%増となる36億円まで拡大させたい意向だ。

 一方、マガシークも今期からアパレル企業をターゲットに通販サイトの運営支援事業に乗り出す。第1号案件はフォー・アンド・コレーが展開するブランド「Joias(ジョイアス)」で、5月中にオープンする計画。

 マガシークの場合、写真撮影などのフルフィル業務や倉庫内作業は物流企業のサポートを受けており、これと連携して新事業に取り組む。

 両社に共通するのは、同事業を新たな収益源としているだけでなく、すでに委託販売している商品と、ブランドの直営サイトの在庫を共有化することで物流コストを削減したり、当該ブランドとの関係強化につながる点も大きいようだ。
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