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【"商機"をつかめ ソーシャルテック①】 男性用育毛剤で成長、"薄毛"に対する価値観を転換

2018年 4月12日 10:12

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 ネットの普及を背景に拡大する通販市場。一方、参入障壁の低下から大手や新興企業の参入が増加。競争は激化している。その中でどこに"商機"を見出すか。昨今、ウェブで盛り上がりをみせる市場が「男性用育毛剤」だ。中でも急成長を遂げる1社がソーシャルテック。その原動力はどこにあるのか。

既成概念を覆す

 「経営理念は、世の中のコンプレックスをなくしたいということ。"薄毛"といえばかつては商品を買うのも恥ずかしいという時代、イメージがあった。そうではないと。継続的なケアが大事だし、育毛ケアに対する抵抗感をなくすことを目指している」(秋山大介専務執行役員)。"コンプレックス商材"は、通販で人気の商品だが視点は少し異なる。悩みを持つ"ニッチ"な層にアプローチするのではなく、育毛ケアの啓発を通じて新たな市場の創出を狙う。

 同様の取り組みが知られるのが「スカルプD」を展開するアンファーだ。「シャンプー=髪を洗うもの」という認識が一般的だった時代、薄毛に悩む層に「頭皮を洗うもの」という提案で新たな市場を切り拓いた。

 眼鏡ブランド「JINS」を展開するジンズも同じだ。コンタクトやレーシック手術が浸透する中、眼鏡をかける層は減っている。だが、ブルーライト対策眼鏡「JINS PC」で、利用層を視力の悪いヒトからPC利用層に広げた。

 すでに市場に存在する商品であっても新習慣の提案や訴求の展開でその商品の持つ可能性は広がる。既成概念を打ち破ることで"商機"は得られる。

「競合も仲間」

 「育毛剤でライバルとなる企業も一緒に育毛ケアを当たり前のものにし"ケアしないことが恥ずかしい"という価値観を浸透していくための仲間と考えている」(同)。新興企業が大手に劣るのは資金力だ。参入当初に多額の投資を行うことが難しく、このため"定期縛り"など複数回の購入を条件にアフィリエイトの報酬単価を高め、ウェブでの露出を高めることを狙う企業が少なくない。一方でこのことが顧客トラブルの一因にもなっている。

 ウェブを中心に展開するソーシャルテックも主な新規獲得はアフィリエイト広告を通じたもの。ただ、男性用育毛剤「チャップアップ」で"定期縛り"は行っていない。顧客フォローなどCRM戦略でこれを補うこともあるが、競合他社とともに「男性用育毛剤」の広告露出を高めることで市場が創出されていくものとみる。

 かつて健康食品通販大手のテレビショッピング研究所がテレビ通販で「青汁三昧」の露出を高め、他社がこれに追随。一時低迷した青汁市場が大きく拡大した例がある。ソーシャルテックが目指すのも「育毛ケアの一般化」。その意味で、競合他社との共栄を目指す。

 2017年3月期の「チャップアップ」単体の売上高は約48億円(=表、本紙推計)。今期は育毛剤で50億円超、総売上高で80億円前後の売り上げに達するとみられる。ただ、主なターゲット層は25~40歳の比較的若い層。「薬用ポリピュアEX」を展開するシーエスシーは、中高年向けに展開しているとみられ、市場をすみ分けている。(つづく)

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