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【藤原尚也CMO兼web事業長に聞く ドゥクラッセのECとCRMの基本戦略は?】 今夏に基幹システムを刷新、新規開拓をウェブにシフトへ

2018年 4月12日 10:16

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 DoCLASSE(ドゥクラッセ)は、EC事業強化の一環としてCCCや旧ガシー・レンカー・ジャパン、マードゥレクスなどでデジタルマーケティングを推進した藤原尚也氏を招へいし、ウェブの売り場再構築や組織作りを急ぐ。1月1日付でCMO(最高マーケティング責任者)兼web事業長に就任した同氏に、通販と実店舗の両チャネルで成長を続けるドゥクラッセグループのECやCRMの基本戦略などについて聞いた。

 ――紙媒体や実店舗も拡大中の企業でECを担うことになった。

 「これまではカタログの受け皿としてのECという部分が多かったが、時代の流れもあり、ECが中心の売り場作りを築いていく必要がある。ただ、カタログや新聞広告、実店舗の延長線上にある役割も大事で、お客様の動きと、当社が変化しなければいけない部分とのバランスをとる」

――CMOを兼務している。

 「ウェブでも買いやすくするという使命に加えて、会社全体を見ながら店舗やカタログのための売り場も作る必要があり、この矛盾にどういう時間軸で取り組むかが課題だ。そういう意味でCMOも兼務している。どういうお客様がいて、何を求めているのかをしっかりと分析し、いま必要なウェブの売り場を追求する。そのためには人材が不可欠で、売り場作りと同時に組織作りにも取り組む」

――売り場作りのスケジュールは。

 「8月に通販サイトのリニューアルを計画している。これまで何度もシステム刷新を計画してきたが、販売チャネルや顧客が多く、システムをとめられないということもあり、バックエンドの基幹システムからフロントまで含めたフルリニューアルを一気に実施しようとして頓挫していた。この手法を改めて基幹システムだけを切り分け、いまのフロントのECパッケージの仕組みに合わせて暫定的にスタートする。その間にフロントは専門のベンダーと組み、実現したいことに優先順位をつけ、3段階に分けて1年がかりで刷新する」

――組織作りは。

 「何をしたいか、なぜ必要なのかを分析し、4月中にECでも3カ年計画を策定する。目標達成にはどういう能力を持つ人が何人必要か、いつまでに必要かを逆算して社内の人材を配置したり、外部採用を行う」

――外部からの採用が必要な分野は

 「当社は服だけを売っているのではなく、価値を提供している。価値を提供し続けるにはデータをしっかり集めてタイムリーに分析し、アウトプットしていくことが大事で、全社的なマーケティングデータの設計には外部の人材も必要だ」

――CRMの部分は。

 「これまでは新聞広告を中心に新規会員を獲得してきたが、5年後も同じ効果が見込めるかと言えば厳しいだろう。すぐに効果がなくなる訳ではないが、その間に新規客をどこから獲得し、どのようにCRMを動かすかを固める。以前は新規獲得とCRMを動かしてリピーターを増やすことは分けて考えることが多かったが、いまは一本の線でつながってきている」

――期待のツールは。

 「LINEは新規獲得後のメッセージ活用も含め、一気通貫できるプラットフォームとして可能性を感じている。「ヤプリ」を採用して今年から本格運用を始めたスマホアプリも期待している」

――初期のアプリ運用で大事なことは。

 「マーケティングはシンプルであることが一番で、お客様もシンプルでないと使わない。当社の主要顧客は大人の女性で、多機能過ぎても使いこなせない。最初はクーポン機能に絞って何のためにアプリがあるのかを分かりやすくした。機能は徐々に追加すればいい」

――顧客に嫌がられない情報発信のあり方は。

 「情報自体にメリットがあるかどうかだ。毎日メッセージが届いても、価値のあることが書かれていれば見てもらえる。媒体の価値を高めるのは企業の工夫と努力次第で、情報発信をやめた瞬間、守りに入っていくだけだ。しっかりと情報を届けるためには複数のツールを活用して気づいてもらうことも大事になる」

――オムニ対応は。

 「お客様が欲しい商品をすべてのチャネルで買えたり、受け取れる仕組みや、お店で見て気になった商品を自宅でゆっくり検討できるようにしたい。例えば、タグにQRコードを付け、スキャンするとお気に入りリストに保存されるような仕組みを整備することも必要だ。アパレル商材は色・柄とサイズ展開があり、お店で気に入った商品があっても自分にぴったりのサイズ、色がそろっていないこともあり、そうした機会ロスは可能な限り減らしていきたい」

――重視する数字は。

 「新規獲得数とその効率性が大事だ。コストは必要なところにかけるが、効率を追求するにはCRMの観点が不可欠で、獲得したユーザーのLTVも重視したい」

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