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現在、eBayの取扱高は10兆6000億円、アクティブなバイヤー数は1億7900万人。全体の取り引きの内、約20%が越境ECで、金額ベースでは2兆円以上となる。
イーベイ・ジャパンによると出店者アンケートでは「国内で動かないものが売れる」という声があり、サイズだけでなくセンスも季節も違うため、例えば、日本で売れ残った季節商材を高回転で回すために季節が真逆の南半球向けに販売することもあるという。
また、海外で販売した場合は国内で仕入れた分の消費税はすべて還付されるため、今であれば8%分がそのまま戻ってくる。今年秋に消費増税が予定される中、数%の利益率の間で勝負している日本の小売り企業にとっては魅力のある仕組みに映っているようだ。
また、直近のトレンドとして注目したいのが米国市場で、日本の出店者の国・地域別売り上げ伸び率では、2018年は米国向けが前年比23%増でトップを獲得。元々、米国のシェアが一番大きかったのにも関わらず大きく伸長したのは、中古ブランド品やカメラなど高級品がよく動き、為替も比較的安定していたことが背景にあるという。
ここ数年、日本では中国ばかりが注目されていた越境ECだが、「中国への越境ECは、少なからずeBayとはビジネスモデルが異なる。どちらかというと『BtoBtoC』の形で、仲介者や大手仮想モールに決まった量の商品をバルクで渡して後の販売をすべて任せるものだと思う」(イーベイ・ジャパンの岡田朋子ビジネス開発部部長)と見解。当初は店舗運営の手間が少ないのに大きく売れたという点が評価されたが、今では現地の越境ECの法制度がたびたび変わることから、毎年トライアンドエラーを繰り返している状態となり、難しさが出ているという。
また、アジアの場合はEC開始時に、まずいかに広告費をかけて流入を大きく取るかという傾向があるが、eBayの場合は取引数や顧客からの評価数、お気に入りの登録数などを地道に貯めて検索で優位に立つことが求められており、SEOでの勝負となっている。
なお、米国ではEC利用者の34%が越境EC利用者で、欧州ではそれ以上の割合がある。日本では6%程度であることからその利用比率は非常に高い。日本はEC化率自体がまだ低いため伸びしろはあるものの、実際にそこに至るまでは時間がかかることから、コンスタントな事業成長を考える点でも欧米向け越境ECに目を向ける意味はありそうだ。