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LINEペイ ユーザー情報を活用、通販サイトの購入、一気通貫で

2019年 8月 8日 15:00

 LINEの子会社で決済サービスを手がけるLINE Pay(LINEペイ)は7月9日、通販サイトでの購入時に氏名や住所などユーザーが「LINE」に登録している情報を使って簡単に購入できる機能「LINEチェックアウト」の提供を始めた。加盟する通販サイトであれば「LINEペイ」のインターフェース内で購入が完結する仕組みで、ユーザー体験の向上につなげる。

 LINEはユーザーが任意で自身の名前や住所、電話番号、メールアドレスなどを入力して提携サービスで利用できる機能として「LINEプロフィール+(プラス)」を提供している。LINEチェックアウトでは同機能を活用することで、通販サイトへの登録から決済、配送までを一気通貫で提供する。

 ユーザーはLINEチェックアウトに加盟する通販サイトであれば、新規の会員登録やパスワードの管理、支払いカード情報、配送先などを入力する手間がなくなる。

 ユーザーがLINEプロフィールプラスに個人情報を登録していない場合は、LINEチェックアウト加盟店の通販サイトで買い物をする際に入力した情報がプロフィールプラスに登録される仕組みになっている。2回目以降からはその情報を利用できるようだ。LINEチェックアウトでの決済手段は「LINEペイ」のみとなる。

 LINEチェックアウトの特徴は通販サイト内で「LINEペイ」での購入を選択すると、専用アプリが立ち上がり、その後の手続きは同アプリ内で進行する。多くのスマートフォンにはLINEアプリが入っており、ログイン状態が保持されているため「LINEペイ」での買い物時も最終的に6桁のパスワードか指紋や顔認証で購入できる。

 LINEペイ営業統括本部の橋本亘平氏は「UXがシームレスで早い」と述べる。他社のID決済はログインの作業が必要なのに対して、LINEチェックアウトはすでにログインされた状態で立ち上がることから、手軽に購入までできるのが強みだという。

 「パソコンであればキーボードを叩けるが、スマホのインターフェースではいかに入力を減らしてタップだけで済ませられるかが大事になる」(橋本氏)。そこで少ない操作で購入を完了できるLINEチェックアウトを提供し「スマホ経由のEC購入の部分をとっていきたい」(同)とする。

 通販サイト側はLINEが抱えるMAU8000万人を超えるユーザーへのリーチが見込める。通販サイトで会員登録を行わないゲスト購入でも、LINEチェックアウト経由の決済後にプロフィールプラスの情報を通販サイトに提供されるため、そこからリピート施策を打つことも可能になるようだ。

 「LINEペイ」の決済手数料は物販の場合、3・45%で、LINEチェックアウトではそれ以外の費用はかからない。「決済手数料だけで、顧客の情報も取得できる。決済手数料をコストではなくマーケティング費用として展開することも可能」と橋本氏。

 LINEチェックアウトの導入までの期間は、企業の状況により1~6カ月程度だという。
 
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