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売上をあげるブランディングとは【「D2Cの会フォーラム2024」より 注目事業者のブランディング戦略】 有力3社が取り組み語る
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2010年 5月20日 17:51
2024年 8月29日 12:00
成長の要因としては広報メディアとECの連動による成果がある。同社の場合、有名老舗企業とあってメディアからの取材機会も多く、特に昨年はJR東日本が主催した「おみやげグランプリ」で総合グランプリも獲得するなど話題も多い。そうした背景もあって秋にはテレビ東京のドキュメンタリー番組「カンブリア宮殿」に取り上げられたことで、大きな反響があったという。
元々、企業広告を行っていないこともあり「メディアなど影響力のある第三者やくちコミからの声が一番消費者に響く。メディア戦略をどう最大化させてECの売り上げにつなげるのかに取り組んだ」(同社)と説明。
番組放送前の準備としてサイトやSNS、メルマガなどでの放送予告を実施。また、視聴者が「船橋屋」や「くず餅」といった番組内で出てきたキーワードをうる覚えの状態であっても通販サイトにたどり着けるよう、「番組名」などの関連する検索キーワード対策も行って事前に網を張っていった。加えて、番組内でポイントとなった「発酵和菓子が体に良い」といった事柄もサイト内に追記することで購入の後押しを行い、成約につなげていったという。結果的に放送があった11月は前年比5倍の注文を受けることができた。
SNSから流入
また、比較的中高年の顧客が多い同社だが、近年は若年層の開拓も進んでいる。以前はECで45歳~55歳が利用の中心だったが、現在は3分の1が34歳以下となるなど、新しい客層をつかむことができている。背景にはフォトコンテストやインフルエンサーの起用などSNSを使ったブランド認知策がある。
特に前年に引き続いて配信したツイッタードラマが奏功。若手俳優を起用した青春恋愛ドラマ「ふたりぼっち」(画像)では、姉妹ブランドである「船橋屋こよみ」の店舗なども舞台に使い、シーンの各所で商品を訴求していった。2月13日~3月16日まで配信し、期間中のEC売上げは前月から10%増加。加えてSNSからホームページへの流入も前年比35%増と推移した。すべてがドラマだけの効果とは言い切れないものの、若年層へのブランド認知には大きな意味があったと見ている。
物流もテコ入れ
売り上げの拡大に伴い、EC物流の効率化も今後の重要な課題と位置付けている。現在は自社内に発送拠点を置いているが、今年から梱包形態の仕様変更をはじめ、以前は同梱していた明細書をダウンロード式にするなど、工数を削減する仕組みを導入。
これまではギフトシーズンなど1日で対応できる注文数に限りがあって途中離脱される場合もあったが、今年は効率化が進んだことで7月の中元期は前年の50%以上の発送にも対応できるようになっている。
なお、今期の4~7月のEC売上げについては前年比40%増と好調に推移。秋にはコーポレートサイトの刷新も控えており、ブランド情報発信の基盤を強化。通年では前年以上の売り上げを見込んでいる。