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新経済連盟 “中国の強み”解説、議員対象にセミナー

2019年10月24日 15:00

 新経済連盟は10月16日、都内の参議院議員会館で国会議員を対象としたセミナーを開催した。

 オプトホールディングスの社長を務める鉢嶺登理事(=写真)が「デジタル大国中国に学ぶ ~なぜ中国はシリコンバレーを超えたか?~」をテーマに講演した。鉢嶺理事はスマートフォン決済や信用スコア、人工知能(AI)による音声認識技術、自動運転車、オンライン診療、中国版スターバックスと呼ばれる「ラッキンコーヒー」の躍進など、中国の実情を紹介。

 「中国の企業は実際のデータに基づいて新しい開発をどんどん行っているのが強み。ドローンや自動運転など、さまざまな新技術を実際に試しているのが中国ならでは。日本が全て真似できるわけではないが、学ぶべき点もあると思う。さらに、13億人というマーケットがあるため、規模感が圧倒的だ」と中国の強みを解説した。

 さらに「イケてる中国デジタル政策」について説明した。中国では2030年までにAIに関する全分野で世界のトップとなる「次世代AI発展計画」を掲げており、関連産業は20年には17兆円、30年には170兆円へと成長する見通しだという。鉢嶺理事は「国策AI事業として『自動運転』、『スマートシティー』、『医療』、『音声認識』、『画像認識』という5つのテーマを設定しており、これが非常に秀逸だと思う。AIが最も効きやすい分野を見事に選んでおり、テーマの代表企業としてそれぞれバイドゥ、アリババ、テンセント、アイフライテック、センスタイムを設定している。アメリカもAIに力を入れているが、中国にはアイフライテック、センスタイム、フェイスプラスプラスという3大AI専門企業があり、技術者数や特許数はアメリカを抜いて圧倒的ナンバー1となっている」と、中国が国策として進めるAI事業の凄みについて説明した。

 そして、中国がシリコンバレーを超える」理由について、国が主導した明快な政策、「まずやってみてから規制をする」ことで活性化している点、有無を言わさない国家体制、特定企業を指定して無駄な競争を排除している点を挙げた。

 「日本企業が世界的プラットフォーマーになれない理由」も述べた。プラットフォームビジネスはユーザーネットワークが決め手であり、母国のネット人口に加えて語学圏のネット人口が決め手となる。日本はアメリカと比較すると、語学圏ユーザー数が10分の1であることから、売り上げから利益、時価総額、資金調達額、R&D投資額に至るまで全て10分の1となるため、日本企業は勝てない構造になっているとした。

 実際に、オプトでは日本において「ツイッターのフォロワーに広告を掲載する」という事業を展開していたが、日本のフォロワー数トップ5と、世界のフォロワー数トップ5では10倍以上の差がある点がネックとなった。「2年間展開したが収支はトントンで撤退した。だが、同じ事業を英語圏や中国語圏でやっていれば十分ペイできたと思う」(鉢嶺理事)。

 最後に鉢嶺理事は日本政府に対し「中国の圧倒的な強さは高速PDCAにある。実地のデータ蓄積が最大のポイントなので、日本でもエリア限定でいいので、規制緩和してほしい。プラットフォーマーについては、構造的に日本企業が勝つことができず、日本国民としては米中のプラットフォームを社会インフラとして使うしかない。政府としてやらなければいけないのはプラットフォーマーへの規制と徴税だ」と要望した。

 議員からは「今後生み出される新技術を使い、世界中を魅了するようなプラットフォームを日本でも開発できるのではないか」といった質問が出た。鉢嶺理事は「先ほど説明した構造的な要因があるので、日本発の技術があったとしても世界に展開できるかは別次元の話。成功パターンがあるとしたら、最初からアメリカや中国に進出して成功するか、日本で成功した資金でプラットフォーマーを買収するか、どちらかしかないだろう」と回答した。

 
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