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ヒラキ SNSでの新規開拓着々、“ワンコイン”シューズが話題に

2020年12月 3日 07:30

 靴の企画・販売などを手がけるヒラキでは今上半期(4~9月)のネット販売が伸長しており、通販売上高43億1800万円に占めるEC比率は前年同期比2ポイント増の66%となっている。背景にはSNSを起点としたマーケティングが成功していることがあり、下期についても販促戦略に取り入れていく考え。

 最初のきっかけは消費者の何気ないツイッターでのつぶやきだった。同社が定期的に手掛けているワンコイン価格の販促商品について、この春夏向けに発売したバレエシューズの「ふわりっと」(画像=税別価格499円)が、3月末ごろにとあるファッション関係者の目に留まり、ツイッターでつぶやかれたところ大きな反響があったという。「こちらから仕掛けたものではなく、お客さん目線で、『ワンコインながらこの品質』という趣旨の内容を自撮り画像と合わせてつぶやかれていた」(同社)とし、結果的に大きな話題を呼んで数万件以上のリツイートを集めることになったという。

 意図したことではなかったものの、そのつぶやきからくちコミが拡散。同社の主力顧客層よりもやや若い25歳~34歳の購入比率が、同商品だけで見ると通販全体では6割以上も高くなる結果となり、新規顧客数の増加に大きく寄与したという。

 元々、同社では「インスタグラム」での販促に力を入れており、自社の商品をデコレーションしてアレンジした画像の投稿を受け付ける企画などを行っていた。今上半期についてもインスタからの通販サイトへの流入者数は前年同期比で約18倍と伸長。ユニークユーザー数における新規流入率も10%以上アップしている。

 インスタについては数年前から実施していたことでコンテンツの蓄積やノウハウがあることから、今後も認知度向上のツールとして期待している。

 今回、図らずもヒット商品を生み出したツイッターに関しては、一つのつぶやきの効果が継続するのには限りがあるとする一方で、短期間で爆発的に拡散される影響力もあり、下期からは秋冬商品についてインフルエンサーを起用して施策として展開することも視野に入れている。

 関連して、今夏前には初めてユーチューバーを起用した販促も開始。ファミリー向けや女性向けに知名度のあるそれぞれのユーチューバーに対して、商品サンプルを提供して使い勝手やコーディネートなどを紹介してもらうような形で展開している。「どういった形で情報発信してもらうのが当社の商品とマッチするのか、実験段階として試しているところ」(同)とした。

1月には初のアプリを提供

 SNSで新規顧客を獲得する一方で、流入先のスマホでの購入導線を強化する必要もあった。そこで、来年1月には同社初となる公式アプリの提供を開始。同社の場合、低価格商品がメインとなることからまとめ買いの需要が強く、商品の探し方も、PCでスクロールするよりもスマホ画面で次々とスワイプする方が買いやすいことから、アプリでの買いやすさをサポートする。現状でのネット受注金額の内、モバイル比率については同4ポイント増の80%となっており、アプリ効果でさらなる上積みを期待している。

 並行して通販サイト自体に関しても、今年1月に大幅な刷新を実施した。特に情報更新のタイミングをこまめに行うことやコンテンツの充実に着手しており、「コロナで休校中はスクール特集ができなかったが、休校解除のタイミングですぐに特集ページをつくるなど、臨機応変な対応をしている」(同)と説明。商品を単体で売るのではなく、コーディネートや手入れ方法などのコンテンツもセットにして提供できるような売り方にも取り組む。
 
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