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ステマ検討会 消費者庁が告示案提示、新経連は限定的規制の独自案

2022年11月17日 11:00

 消費者庁の「ステルスマーケティングに関する検討会」は11月11日、消費者庁が告示案を示した。ステマについて、これを広く包含する包括的規制を念頭に置く。併せて、運用基準の方向性に関するたたき台を提示した。一方、検討委員として参加する新経済連盟(=新経連)は、事業者による「なりすまし型」を念頭に置き、具体的かつ限定的な規制を行う独自の告示案を示した。

 
 消費者庁の告示案は、ステマを「事業者が自己の供給する商品または役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該事業者の当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」と定義する。広告を「隠す行為」全体の規制を念頭に置いており、事業者による「なりすまし型」、第三者に利益提供を通じて表示させる「利益提供秘匿型」を包含している。

 運用基準では、「事業者の表示」の判断基準を示す。第三者に行わせる表示例は、SNS投稿、レビュー投稿、アフィリエイト広告など。従業員が行った表示、投稿者に表示内容を明示的に指示していない場合も、事業者の表示と認められる実態があれば「表示内容の決定に関与した事業者」として規制する。

 事業者と投稿者の関係性は、金銭や物品、イベント招待等の経済上の利益など「対価性」を考慮要素として評価する。ただ、サンプル配布等で消費者や著名人など第三者が特定の商品・役務の推奨投稿を行う場合、「自主的な意思の有無」などから個別事案ごとに判断する。関係性の判断は、過去から将来の時点に存在する実態も踏まえる。

 媒体が自主的に企画、編集、制作した表示は正常な商慣習に照らし、取材に基づく記事配信、書評掲載、番組報道は通常、「事業者の表示」と判断しない。

 消費者の判別が困難かは、表示内容全体から判断する。「事業者の表示」であることが不記載、不明瞭な場合を想定する。不明瞭であるかは、判別しにくい「文言の使用」、「表示位置」、「大きさ」などで判断。明瞭な例は「広告」、「宣伝」、「プロモーション」、「PR」等の文言使用が考えられるとする。

 新経連は、ステマにおける誤認の対をが「表示主体(誰が)」、「第三者の推奨など表示内容」のいずれにするかで不当性が変わることを説明。事業者による推奨表示を第三者の推奨と誤認させることに不当性があると捉え、第三者への対価の支払いなど関与度を判断要素として「なりすまし型」を中心とする規制を提案する。
 
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