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KDDIエボルバとスクロール360 付加価値高いメニュー提供、AIやRPAも活用

2023年 8月 3日 12:00

 KDDIグループでコールセンター業務を手がけるKDDIエボルバが、スクロール子会社でソリューション事業を手がけるスクロール360と組んで「EC・通販トータルサポートサービス」の提供を開始した(1900号で既報、写真左からKDDIエボルバの白石雅裕氏、同鎌田靖司氏、スクロール360の山本雄一氏、同黒崎裕子氏)。

 両社が提携に至った背景について、KDDIエボルバサービス企画開発本部サービス企画部サービス企画グループリーダーの白石雅裕氏は「コロナ禍でECのニーズが高まっており、既存のクライアントから、ECのフルフィルメント領域に関する問い合わせや引き合いが高まっていた」と説明。「信頼できて、シナジー効果が期待できるパートナーとして、当社と価値観が似ていると感じたスクロール360と提携したいと考えた。物流に関しても、関東・中部・関西に複数拠点を構えている点が大きい」と話す。

 一方、スクロール360営業部営業1課長の山本雄一氏は「当社としても、コールセンターやBPOは小規模な案件なら対応できたが、大規模な要望に応えることができなかった。KDDIエボルバと提携することで相乗効果が得られるはずだ」と期待する。

 新サービスでは、通販サイト構築・運営から物流、請求、決済処理、問い合せ対応、返品対応まで、通販に関連する業務に加え、カスタマーサポート関連のサービスも提供する。スクロール360では、バックヤードの部分だけではなく、通販サイトの運営代行も手掛ける。KDDIエボルバは大規模なクライアントを抱えており、ニーズのありそうな既存顧客に対して声をかけていくが、「新規にECを始める企業が利用するケースも想定しており、規模の大小はそこまで意識していない」(白石氏)という。

 また、KDDIエボルバのコールセンターは需要の波動が大きいときでも対応できるため、スクロール360側でさばききれないコールセンター絡みの案件があれば、KDDIエボルバが引き受ける。

 KDDIエボルバサービス企画開発本部サービス企画部サービス企画グループ主任の鎌田靖司氏は「コールセンター業務だけではどうしても頭打ちになるので、新サービスの提供でEC・通販関連のクライアントを増やしていきたい」と意気込む。KDDIエボルバのBPO・コンタクトセンターに関するノウハウと知見だけではなく、AIやRPAなどのITを活かしたサービスを提供できる点も強みとなる。

 AIの活用事例としては、健康食品通販企業向けに、音声自動応答(ボイスボット)による注文受付チャンネルを提供。電話を好む高年齢層や、デジタルが不得意なユーザーでも、24時間365日注文できる販売チャネルを用意することで、成果が挙がっているという。また、ボイスボットとチャットボット、RPAを活用し、カスタマーサポートのデジタル化・自動化を進めている。

 鎌田氏は「例えばRPAなら、単に一部業務を自動化するだけではあまり意味がない。業務プロセス全体を分析し、無駄を省いたり必要な場所には人員を配置したりすることが大事。当社であれば、業務プロセスをコンサルティングし、業務全体を最適化するためのノウハウを持っている」と強調する。

 また、スクロール360の物流代行サービスは、同梱物対応がアピールポイントとなっているが、KDDIエボルバのコールセンターが保有する顧客の情報を活かすことで、より最適化していく。スクロール360ソリューション戦略部長の黒崎裕子氏は「スクロールグループとしてもソリューション事業を強化しており、KDDIエボルバのノウハウや知見を活用することで、より付加価値を高めたソリューションメニューを提供していきたい」と語る。

 
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