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まくらの「パーソナライズ枕」 “不眠に悩む人”減らす【ヒットの舞台裏㊤】 オンライン診断で提案

2023年11月24日 12:00

 まくらでは、オンライン上で睡眠や枕に関する18問の質問に答えることで、70万通りの中から自分に合った最適な枕を提案・作成できるパーソナライズ枕「THE PILLOW(ザ ピロー)」(価格は2万7500円)を7月から販売している。

 同社の河元智行社長は、商品開発に至る経緯について「コロナ禍を受けてECは絶好調。特に枕に関しては、在宅時間が増えたことなどから眠れない人が増えたこともあって売れに売れ、売上高と利益は過去最高を記録した。ただ、その一方で葛藤が生じるようになった」と話す。いくら儲かっても、仕入れ商品を売っているだけなら、仮に会社が無くなったとしても代わりに枕を売る会社はいくらでもある。オリジナル商品も扱っているものの、「すぐに真似をされてしまう」のが悩みだったという。

 「『枕難民をゼロにする』という会社としてのミッションを掲げているのに、不眠など睡眠に関する課題を解決するためのアプローチができていない。何とかしなければ、という危機感があった」(河元社長)。社会問題になっている不眠。良く眠れないことで、生活習慣病への罹患リスクが上がったり、仕事の生産性が低下したり、さらにはヒューマンエラーにもとづく事故等を招く恐れもある。また、不眠が続くとうつ病等の心の病を招いたり、最悪の場合自殺に至ったりすることもあり、コロナ禍においてこうした状況がさらに悪化しているのが実情だ。

 「不眠に悩む人が最初に考えるのは、枕を変えること。つまり、枕は睡眠に関する問題の一丁目一番地にある商材なので、当社が一人ひとりに合う枕を当社が提供できれば、不眠に悩む人を減らせるかもしれない。最近は企業の社会的意義を示す『パーパス』という言葉が良く使われているが、『不眠を解決することで1人でも多く大切な命を救う』というパーパスが生まれ、そこに向かって本気で取り組むべく動き出した」(同)。

 では、顧客に合う枕とはどういったものか。同社では約400の枕を販売しているが、どの枕が自分に合うかはネットでは分からないし、実店舗でも選ぶのは難しい。ある程度の日数、実際に使ってみなければ「寝心地」は判断できないからだ。

 「そう考えたときに、当社の強みは『枕を売っていること』ではなく『枕選びのためのデータを蓄積していること』と気づいた。20年間枕のECを手掛けてきたことで枕選びのノウハウが蓄積され、『どんな枕が合うか』を提案できる力を持っている点こそが強み」。

 もちろん、知識を持った人が「枕ソムリエ」として全ての顧客に枕を提案するのが理想だが、現実的ではない。行き着いたのは「枕選びの自動化」だ。枕選びのソムリエをイメージし、それをAI化させた「PilloBO」を開発し、既製品の枕の提案ではなく、カスタムメイドやオーダーメイドの枕をオンラインの診断で提案する仕組みを構築した。

 まず、消費者はオンライン上で枕診断を行う。睡眠や枕に関する18問の簡単な質問に答えるだけで、AIが対象者の体型やBMI値のほか、睡眠リズムや寝姿勢、枕の好みなどを推測し、枕カルテを作成。カルテをもとに、70万通りの中から最適な枕を生成する。「THE PILLOW」は7つのポケット(独立した部屋)に分かれた7ポケット構造の枕となっており、一つひとつのポケットが独立して、枕素材の出し入れや調節ができるようになっている。

 枕診断によって、AIがポケットごとに最適な枕素材、最適な枕素材の容量を1グラム単位で計算。対象者に最適な枕の高さ、枕の硬さ、枕の形状を自動提案してくれる仕組みだ。「販売後の枕が『合う』『合わない』というデータをフィードバックする。データが集まれば集まるほど、枕が合う可能性も高くなってくる」。(つづく)


 
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