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インシップ広告差止訴訟 適格団体の請求棄却、広島高裁が一審判決を踏襲

2023年12月14日 12:00

 適格消費者団体の消費者ネットおかやまが、インシップを相手取り起こしていた差止請求訴訟は12月12日、広島高裁が請求を棄却した。景品表示法の優良誤認にあたらないと判断。「打ち消し表示」の有効性も評価した。

 インシップは、「証拠提出したノコギリヤシエキスの頻尿改善効果を示す数々のヒト臨床試験が評価され、岡山地裁の判決が維持された」とコメント。上告の検討や、団体に対する今後の対応に回答は得られなかった。

 消費者ネットおかやまは、「立証できるだけの証拠がなく、裁判所を納得させられなかった」とコメント。上告は検討中とした。

 消費者ネットおかやまによると、判決では、相当の打ち消し表示があれば、「漠然とした効果をにおわせる程度の表示は景表法の優良誤認にあたらない」と判示されたという。

 インシップは、ノコギリヤシエキス配合の健康食品について、「夜中に何度も…」、といった記載とともに、困った表情を浮かべ下半身を震わせる寝間着を着た男性のイラストを広告で掲載していた。

 一審で、消費者ネットおかやまは、表示が頻尿を改善する医薬品的効果を示していると指摘。医薬品との誤認を招き、景表法の優良誤認にあたると主張した。また、頻尿改善効果も、前立腺肥大症の男性を対象にした研究論文について、「現時点では効果がないと示唆される」との医薬基盤・健康・栄養研究所の「健康食品」素材情報データベースの評価を引用して根拠がないとした。

 インシップは、表示は抽象的内容で一般に許容される誇張の範囲にとどまると主張。頻尿改善効果が想起されても合理的根拠があり、表示と商品内容にかい離はないとした。

 岡山地裁は、広告は、全体の印象から頻尿の男性向けの商品であるとの印象を受けると評価した。一方で、疾病名や症状、具体的な治療効果の記載はなく、「飲んでみたら、早めにスッキリした」など抽象的表現にとどまるため医薬品と誤認は生じないとした。

 打ち消し表示は、パッケージの「栄養補助食品」、「健康食品のインシップ」との記載、広告の「効果効能を保証するものではありません」等の脚注の有効性を評価した。

 頻尿改善効果は、双方が提出した肯定・否定の研究論文を評価。「肯定する研究報告も相当数みられ、少なくとも個人差のある一定程度の頻尿改善効果が認められる可能性は否定しきれない」、「有効性を厳格に審査して承認を受けた医薬品でも治療効果が否定する試験結果は存在しうる。その場合もただちに治療効果がないと評価できない」と指摘。広告は、「改善の可能性があるとの印象を生じさせるものにとどまり、個人差も想定できる。一般に許容される限度を超えて『著しく優良』であるとの誤認を与えるとは言えない」とした。
 
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