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キャッチボール「届いてから払い」 決済画面からアップセル、後払いの利便性アピール

2023年12月22日 12:00

 スクロールグループで後払い決済事業を展開するキャッチボールでは5月より、後払い決済サービス「届いてから払い」において、二次元バーコードにより遷移した決済画面ページに、購入した企業の商品の広告を表示できる仕組み「販促オプション」を展開している。

 届いてから払いは、通販で注文した商品が届いてから支払い方法を決めることができる後払いサービス。自宅にいながらクレジットカードのほか、「PayPay」などのスマートフォン決済やキャリア決済など、10種類以上の支払い方法が選べる。通販では、ハーブ健康本舗などがすでに導入している。

 同社の端郁夫社長は「後払い決済のデメリットとして、現金を持ってコンビニに行く面倒さがある。例えば、500円のお試し商品を買ってコンビニで支払おうと思ったけれども、もう夜も遅い。どうしようかと思ったらPayPayで支払えるということで、専用の決済画面にアクセスしたら本商品が20%割引というポップアップが出てきた。『さっきサンプルを使ってみたけどなかなか良かったから買ってみようか』という流れを想定したサービスだ」と狙いを説明する。

 販促オプションに対する通販事業者の反応は非常に良いという。「アップセル的な使い方が本命と思っていたが、話を聞くと『この商品を買った人はこんな商品も買っています』というクロスセルにもかなり需要がありそう」(端社長)。表示する広告は消費者が購入した商品に紐付けられており、10種類程度の広告が選択可能だ。

 本格的な導入がはじまったのは今秋からということもあり、まだデータは出揃っていなない。ただ、商品が届いてからアップセルやクロスセルにつなげるために効果が高い期間は、消費者がモチベーションを維持している2週間程度といわれている。

 通販企業はメールや電話、SNSなどを活用して売り上げにつなげているわけだが、キャッチボールでは後払い決済も新たなタッチポイントとして有望とみている。

 端社長は「届いてから払いは『コンビニに行くのが面倒』というデメリットを解決できるだけではなく、『後払いではいつも使っている決済手段のポイントがもらえない』という問題も解決できる。届いてから払いで利便性を上げ、販促オプションで売り上げに少しでも貢献したい。費用は成果が出た分のみのアフィリエイトモデルなので、事業者にとっても『入れない理由はない』という利便性の高いサービスになっている」と自信を示す。

 今後の課題は「届いてから払いをもっと利用してもらう」ことだ。まだまだコンビニでの決済比率が高い。同社では「届いてから払い利用者のうち、販促オプションで20%くらいはアップセルやクロスセルにつなげることができるのではないか」(端社長)とみている。そのため、届いてから払いを利用する消費者の母数を増やすことが重要になる。

 同社では、加盟店と協業して届いてから払いの利用促進を図る。「届いてから払いへ流入する比率が上がれば上がるほど、商品を買ってもらうチャンスも増えていく。そういった好循環を加盟店と一緒に作っていきたい」(端社長)。支払い選択画面での表示や商品発送時の案内などで、メリットをアピールしたい考えだ。

 
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