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通販エキスパート協会 理事会体制を刷新、「D2Cエキスパート協会」に名称変更

2024年 2月29日 12:00

 通販関連の検定事業を行う通販エキスパート協会は今年2月、「D2Cエキスパート協会」に名称を改めた。理事会体制の刷新に加え、新たに委員会を設置。既存通販以外のD2Cビジネスモデルの広がりを受け、これら新興ブランドを含めた支援を行う。

 マーケティングのダイレクト化が進む中、D2C市場の持続的成長に必要な専門人材の育成、事業成長とコンプライアンスの両立を図る広告表現の勉強会、大学や研究者とD2C企業の産学連携のネットワーク構築を支援する。

 代表理事には、元公正取引委員会中部事務所長、元流通科学大学商学部教授の小畑徳彦氏(=写真)が就任。大学教授や学識経験者等を構成メンバーとする理事会を新たに設置する。東京以外でも、大阪、福岡で地域部会の開催も予定する。

 4月以降、新たに法人会員を対象にした委員会(隔月開催を予定)も設置する。「人材開発委員会」は、D2C企業の人材育成の課題への対処を行う。人材開発担当者向けの座談会や交流会、講座も予定する。「産学連携委員会」は、大学の研究者と企業の連携による商品開発やブランド戦略、顧客分析事例の研究など、D2C事業の持続的な成長に必要な取り組みを支援する。「広告表現委員会」は、公取委出身の講師による行政の監督機能に関する勉強会や、ステルスマーケティング規制、広告事例の実践的な勉強会を予定する。会員各社の要望に応じて、委員会の追加も検討する。

 会員は、D2C事業を行う「正会員」(会費・月額税込2万円)と、広告代理店や物流、コールセンターなどD2C事業を支援する「賛助会員」(同1万5000円)。正会員は、各委員会活動への参加、検定試験の割引価格での受検、年2回予定するオープンセミナーの参加費無料などの特典がある。賛助会員は、一部委員会への参加資格、D2C企業との交流会の参加等の特典を用意する。自治体や業界団体など特別会員制度も設ける(会費は無料)。現時点で、理事が参加・主催するブランド戦略経営研究所、日本ダイレクトマーケティング学会の入会を予定している。

 09年から実施している通販エキスパート検定は、通販全般の知識を学ぶ3~1級と、専門知識を学ぶカスタマー・セントリシティ(顧客中心主義)、通販CXマネジメント、フルフィルメントCXがある。今年10月には、薬機法広告検定の実施も予定している。

 代表理事に就任した小畑氏は、協会の体制刷新に「近年、急速なデジタルシフトに伴い、従来からの通販企業に加え、農業、製造業、小売業などすべての業種のマーケティングがダイレクト化しつつある。こうしたダイレクトマーケティング進化の可能性を切り拓く人材の育成、社会の期待に応える本来の意味でのコンプライアンス感覚の醸成、D2C企業や支援会社の交流の場作りをさらに促進していく」とコメントしている。
 
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