2025年上半期に起きた通販業界の出来事(1面に関連記事)について、引き続き、主な内容について記述していく。
近年の小売り不況を反映してか、今上半期は倒産やサービス停止など、企業活動の停滞が見られるケースも少なくなかった。
2020年から始まった千趣会とJR東日本が資本業務提携を解消したほか、2月には香水通販のミルズインターナショナルが自己破産を申請。6期連続で連結営業損失を計上していたユーグレナでは上場後初となる希望退職者の募集を実施。衣料品や雑貨などを取り扱う「イーザッカマニアストアーズ」を運営していたズーティーも自己破産を申請している。EC黎明期から長年に渡ってネット販売を行なってきた有力EC事業者たちが苦戦している姿が相次いで見られており、その背景には近年の仕入れ価格や物価の高騰、人手不足など通販市場に厳しい逆風が吹いている環境にあることが窺える。
なお、昨年発生した「紅麹」の健康被害問題に絡み、小林製薬が今年12月をもって、自社通販サイトなどでの通販事業を終了することを発表している。
TikTokが市場の起爆剤に
一方で、新たなビジネスチャンスとして期待される新サービスも生まれている。大きなところでは、動画投稿アプリの「TikTok(ティックトック)」が6月末から、アプリ内で商品の販売から購入が可能となるEC機能「ティックトックショップ」の提供を日本で開始。先行する海外では急速に大規模な市場に成長しているところもあり、国内メーカーやEC企業を中心に出店に向けた動きが加速している。
また、配送サービスに関するテコ入れも各社で進んでおり、アマゾンジャパンが1月から、食品や飲料、日用品などを受注から最短6時間で配送するサービス「エクスプレスマート」を都内と埼玉県内の一部エリアで開始。3月にはauコマース&ライフが仮想モールで、同一店舗において3980円以上の購入で送料が無料となる制度を導入している。
そのほか、社会的に大きな関心を呼んでいる米価格の高騰についても、通販業界に影響が及んでいる。政府が国民生活安定緊急措置法の政令改正を閣議決定したことを受けて、フリマアプリ各社では米穀の出品を禁止。
また、随意契約による政府備蓄米の売渡し対象者が拡大されたことに伴い、楽天グループやアマゾン、QVCジャパン(8面に関連記事)など大手通販企業各社が続々と販売を開始している。
2025年上半期に起きた通販業界の出来事(1面に関連記事)について、引き続き、主な内容について記述していく。
近年の小売り不況を反映してか、今上半期は倒産やサービス停止など、企業活動の停滞が見られるケースも少なくなかった。
一方で、新たなビジネスチャンスとして期待される新サービスも生まれている。大きなところでは、動画投稿アプリの「TikTok(ティックトック)」が6月末から、アプリ内で商品の販売から購入が可能となるEC機能「ティックトックショップ」の提供を日本で開始。先行する海外では急速に大規模な市場に成長しているところもあり、国内メーカーやEC企業を中心に出店に向けた動きが加速している。
2020年から始まった千趣会とJR東日本が資本業務提携を解消したほか、2月には香水通販のミルズインターナショナルが自己破産を申請。6期連続で連結営業損失を計上していたユーグレナでは上場後初となる希望退職者の募集を実施。衣料品や雑貨などを取り扱う「イーザッカマニアストアーズ」を運営していたズーティーも自己破産を申請している。EC黎明期から長年に渡ってネット販売を行なってきた有力EC事業者たちが苦戦している姿が相次いで見られており、その背景には近年の仕入れ価格や物価の高騰、人手不足など通販市場に厳しい逆風が吹いている環境にあることが窺える。
なお、昨年発生した「紅麹」の健康被害問題に絡み、小林製薬が今年12月をもって、自社通販サイトなどでの通販事業を終了することを発表している。
TikTokが市場の起爆剤に
また、配送サービスに関するテコ入れも各社で進んでおり、アマゾンジャパンが1月から、食品や飲料、日用品などを受注から最短6時間で配送するサービス「エクスプレスマート」を都内と埼玉県内の一部エリアで開始。3月にはauコマース&ライフが仮想モールで、同一店舗において3980円以上の購入で送料が無料となる制度を導入している。
そのほか、社会的に大きな関心を呼んでいる米価格の高騰についても、通販業界に影響が及んでいる。政府が国民生活安定緊急措置法の政令改正を閣議決定したことを受けて、フリマアプリ各社では米穀の出品を禁止。
また、随意契約による政府備蓄米の売渡し対象者が拡大されたことに伴い、楽天グループやアマゾン、QVCジャパン(8面に関連記事)など大手通販企業各社が続々と販売を開始している。