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スクロール、家具・雑貨事業を強化、PB増やし価格競争力高める

2011年 5月15日 20:59

スクロール(本社・浜松市中区、堀田守社長)が家具・雑貨の取り扱いを強化する。直輸入のプライベートブランド(PB)商品の品揃えを増やすことで価格競争力を高めるほか、コンビニ・書店向けカタログの設置増や、仮想モールの店舗の強化などで売り場の拡大を進める。2011年3月期の家具・雑貨関連の売上高は約70億円だが、13年3月期は100億円まで増やす計画だ。

 家具・雑貨を扱う「ライフファッション事業」では、カタログ「生活雑貨」を発行している。主力の衣料品通販よりも安定した収益が見込めることから、取り扱いを強化することで利益率改善につなげる狙いだ。

 コンビニ・書店向けカタログの設置場所を増やすほか、楽天市場に出店する店舗や、携帯電話向け通販サイトの販売を強化。商品戦略としては、価格競争力を高めるため、直輸入商品の品揃えを充実させる。また、大型商品の取り扱い拡大に向けて、保管や物流体制の見直しも進める。販売する商品に関しても、現在は取り扱いの少ない男性向け商材やペット関連・家電のほか、キャンプ用品など季節商材の品揃えを、ネット販売中心に強化する。

 主力のアパレル事業に関しては、前期から進めてきたカタログ制作期間短縮や、スピーディーな在庫処分などの取り組みを引き続き進める。また、M&Aに関しても積極的に検討する。具体的には「数十億~100億円規模の単品通販企業を買収したい」(堀田守社長)という。こうした施策により、2016年3月期には連結売上高1000億円を達成したい考えだ。

 同社の2011年3月期連結決算は、売上高が前期比1・4%増の564億6000万円、営業利益は同26・2%減の16億700万円、経常利益は同23・1%減の18億2800万円だった。昨年4月に化粧品通販のイノベートを子会社化したことで売上高は微増となったが、消費不振や東日本大震災の影響を受け通販事業が不振だった。

 同社では今期から、セグメント区分を変更し、通信販売事業(生協事業も含む)を「アパレル」「インナー」「非アパレル」の3つに分割した。前期までの「通販事業」「生協事業」という区分では、通販事業の売上高が前期比13・9%減の約140億円、生協事業の売上高は同2・3%減の約314億円となる。

 新たに子会社となったイノベートの売上高は41億円だった。買収前の売上高60億9900万円と比較すると、32・8%の減収となる。前経営陣による薬事法違反が発覚したことなどが影響した。収益悪化を受け、6億6600万円の減損損失を計上した結果、連結の当期純利益は前期比76・9%減の3億8200万円となった。

 12年3月期の連結業績は、売上高が前期比2・6%減の550億円、営業利益は同19・1%減の13億円、経常利益は同18・0%減の15億円を予想。一方、当期純利益は前期計上した特損がなくなるため、同135・4%増の9億円を見込む。堀田守社長は「4月に入ってから受注は回復しているものの、震災の影響で不確定要素が多いため保守的な数字とした」としている。

 前期大幅減収となったイノベートに関しては、薬事法違反の対象商品回収がほぼ終了したことなどから、今期の売上高は50億円を見込んでいる。


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