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アマゾンのファッション通販強化策とは――ファッション産業人材育成機構の研究会から

2011年 9月22日 17:51

アマゾンファッション.JPG アマゾンジャパンは、出遅れているファッションカテゴリーの強化を急ぐ。

 財団法人ファッション産業人材育成機構(IFI)がこのほど開催した「繊維ファッションビジネス研究会」に同社のローレン川崎バイスプレジデントが登壇し、アマゾン全体のシューズ、ファッションの売り上げを今後10年で100億米ドルに引き上げる計画を明らかにした。

 アマゾンのネット戦略は、「品ぞろえ」を最優先することでCS向上につなげ、トラフィックや売り手の拡大、低価格化への循環を構築してきたが、ファッションでも品ぞろえの強化を本格化させている。

 従来は、丸井などが「出店」する形で販売していたが、2009年からはアマゾンが買い取り販売を開始。今年5月にはファッションカテゴリーのページを刷新し、世界で初めて当該カテゴリーを「レディースファッション」や「メンズファッション」「かばん・ラゲッジ」などに細分化したこともあって、取り扱いブランドは急速に増えているという。

 バックヤード面では、昨年7月にファッションアイテムを集約した物流拠点を埼玉県川越市にオープン。モデル着用の画像を撮影するスタジオも作った。

 シューズの撮影ブースでは、日本人女性の平均的な足のサイズを持つ「シンデレラ」と呼ばれるスタッフが1日中、試し履きをしてはサイト上に着用感などを反映させることで消費者の参考になるようにし、実際に返品率を改善する効果が出ているという。

 行動分析を活用したレコメンド手法については、ファッションはほかの商材とは異なり、個々の消費者への商品提案は難しいとするものの、「データを蓄積していけば、間違いなく売り上げの拡大につながる」(ローレン川崎氏)と自信を見せる。

 一方、「ECの集客にパーフェクトソリューションはない」(同氏)と断言。今後、アマゾンは利用者へ商品を届ける際に、ファッション商材の商品カタログ(冊子)を同梱したり、テレビCMの活用も検討。ウェブ以外での仕掛けも実施して同カテゴリーの販売につなげる。

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