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紀伊國屋書店 店と通販共有のポイント導入、初年度100万人獲得へ

2009年11月20日 16:19

 紀伊國屋書店は11月中旬から、店舗とネット販売共通のポイント制度を導入した。実店舗は新宿本店などの旗艦店から段階的に導入、1年間で全国63店舗への導入を完了させる。また、来年2月には主力の書籍通販サイト、来年中にはDVD・CDのネット販売サイトにもポイント制度を導入する。店舗と通販の共通ポイント導入でアマゾンなどに遅れをとっているネット販売のテコ入れを図る。ポイント制度の導入効果で初年度百万人の新規会員の獲得を目指す。

 同社が開始した店舗と通販サイト共通のポイントサービスは「Kinokuniya Point(キノクニヤポイント)」。これまでも各実店舗が試験的に一部、実施したり、DVD・CDの通販サイトでポイント制度を導入してきたが、全社的なポイント制度は今回が初めて。なお、同ポイント制度はNTTデータのSaaS型販促ソリューション「SmarP(エスマープ)」を導入、実施した。

 ポイント対象商品は同社が販売する書籍、雑誌、DVD、CD、文具(一部のCDなどは除く)。当該商品の購入金額100円ごとに一ポイントを付与。このほか、キャンペーンでのポイント付与や誕生日月にポイント倍付けなども実施する予定。1ポイントは1円として商品の支払い時に充当できるもの。

 ポイント制度は店舗と通販サイト共有だが、まずは実店舗から段階的に導入する。11月16日に新宿本店、新宿南口店の都内旗艦店舗から導入。次いで12月1日に北海道地区の5店舗(札幌本店、オーロラタウン店、厚別店、小樽店、千歳店)で開始。今後1年間で全国63店舗に導入していく。なお、店舗でのポイント付与には「Kinokuniya Pointカード」への加入が必要となる。

 ネット販売サイトには来年2月末に主力の書籍の通販サイト「紀伊國屋書店BookWeb」に導入。また、同社が運営するDVDとCDの専門通販サイト「ForestPlus」にも来年中には導入する予定。同サイトが導入している現行のポイント制度は新ポイント制度に移行させる。

 ポイント会員にはネット上に「マイページ」を用意。同ページを介して書籍やDVDの新商品情報のほか、同社が手がける劇場経営やセミナー運営などに関するキャンペーン情報やイベント告知を展開。物販以外のグループ事業への貢献も期待する。

 同社ではポイント制度導入で初年度1年間で新規会員100万人の獲得を見込む。「日々の店頭での顧客数や販売状況のデータを見る限り、不可能な数字ではない」(同社)とする。同社では10月には1,500円以上の受注については送料を無料にするなど近年、ネット販売事業の強化を図ってきた。ポイント制度の導入も知名度が高く販売も好調な実店舗の顧客をネットに効果的に誘導したい狙いがあるようだ。これにより、アマゾンなど競合のオンライン書店に遅れを取っているネット販売のテコ入れを図りたい考え。
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