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ネイチャーウェイ 特商法違反で改善命令、テレビ通販初 消費者庁の指導後も苦情

2012年12月 7日 17:13

 消費者庁は11月30日、健康食品通販のネイチャーウェイに対し、特定商取引法違反(債務の履行拒否)で改善命令を出した。同社が放映したダイエット茶「飲まなく茶」のインフォマーシャルを見て商品を購入した消費者に対し、番組中に表示していない返品条件を持ち出して返品や代金の返還を拒否したもの。消費者庁では同社に対し、消費者への返品の受け付けと代金返還を求めている。なお、テレビ通販に対する同法での処分は初となる。

021.jpgのサムネール画像 同社は地方局やCSを中心に「飲まなく茶」のインフォマーシャルを放映していた。消費者庁によると、同社は「安心の30日間お試し保証」として、商品到着日から30日以内であれば商品代金全額を返金する旨を番組中で宣伝していた。ところが、実際には「開封した空き箱も必要」という返品規約があるにも関わらず番組では明らかにせず、空き箱を捨てた消費者の返品・返金要求に応じていなかった。

 消費者庁では昨年11月、同社に対し改善指導を行ったが、それ以降も消費生活センターなどに53件の相談があったことから今回の処分に至った。「飲まなく茶」は同社の主力商品で、消費者庁によると、昨年度は16億5000万円を販売していたという。

 同社では、「消費者庁の注意があった際に、広告代理店に対してインフォマーシャル中の返品規約を詳しく修正した番組素材を提供し、差し替えるように要請した」と説明。1カ月後には、代理店側から差し替えを完了した旨の報告を受けていたことから「(特商法上の)問題は解決したと考えていた」(同社担当者)という。

 しかし、今回の改善命令を受けて同社が番組を確認したところ、実際には返品規約を表示した部分が古いままの番組も継続して放映されており、新しい素材に差し替えられていた番組は全体の30~40%程度にとどまっていた。

 同社では「消費者庁からの注意を無視してインフォマーシャルを放送していたわけではない」と釈明。同商品のインフォマーシャルは約5年間放映しており、番組を見た上で商品を購入した消費者の中で、空き箱を捨てたことを理由に同社が返金を断った該当者への返金に応じる。消費者庁から注意を受けて作成した、新しい素材に差し替えられていなかった番組を視聴し、商品を購入した消費者からの返金要求に関しては「広告代理店への代金請求も検討したい」(担当者)としている。

 一方、同社を担当していた広告代理店では「新しい素材の提供を受けたことは事実」とした上で、「ネイチャーウェイから全番組の差し替え指示は受けていない」と説明している。

 テレビ通販は記録が残りにくいため調査が難しく、これまで特商法での処分事例はなかった。消費者庁では問題の番組を実際に確認し、改善命令に至った。

 今回の処分に対し、同社が会員となっている日本通信販売協会では「テレビ通販初の処分でもあり、大変遺憾に思う。協会としても同社には返品関連での消費者とのトラブルで注意を促してきた経緯があり、厳正に処分したい」とコメントしている。

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