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通販支援の仕掛人に聞く、ライブパーソンのロバート・ロカシオ創業者兼CEO

2013年 6月14日 10:05

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米・ライブパーソン(本社・米国ニューヨーク州、ロバート・ロカシオ創業者兼CEO)はこのほど、デジタルマーケティングなどを手がけるヴィクシア(本社・東京都渋谷区、土屋到社長)と提携し日本市場に参入した。ヴィクシアと組み、ウェブ接客サービス「ライブエンゲージ」を拡販していく。「ライブエンゲージ」はこれまで通販を含む世界8500社に導入され購買率を平均20%向上させた実績を持つという。ロカシオCEOにサービスの特徴やこれまでの導入実績などについて聞いた。

ウェブ接客サービス「ライブエンゲージ」とは。

 「『ライブエンゲージ』はどのようなユーザーが、どんな行動をしているか、それに対しどういったオファーをすれば良いかが見えるものだ。基盤となるものが豊富なデータベースで、ユーザーの複雑な行動をリアルタイムで把握して次の行動を予測。サイトを離脱しそうなユーザーに"チャット"や"コンテンツ"、"コールセンター"などの接客ツールをポップアップ表示する。ユーザーの行動履歴や購入金額などで細分化したターゲットに、最適な接客を行うことができる」

 具体的には。

 「例えば、カートの中身に合わせて接客ができることも特徴のひとつ。1000円の商品をカートに入れた顧客の購買率が20%で、1200円の商品をカートに入れた顧客の購買率が80%だったとする。1000円の商品を購入した顧客があと200円購入すれば購買率を高まるわけだ。『ライブエンゲージ』はそういった顧客に対し、送料無料を案内するコンテンツを表示して客単価を上げて購買率を高めることができる」

 「加えて、1200円の商品を購入した顧客が価値の高いお客様だとすると、より深い接客をするためにチャットに招待する。一方で、客単価の低い顧客であればコンテンツを案内していくことも可能。顧客のカートの中身に合わせて対応する接客を選べる仕組みだ」

 これまでの導入実績は。

 「世界8500社に提供しており、シティバンクなどの大手金融機関やエスティーローダーなど化粧品企業などでも導入している。このうち通販実施企業は2000社で、米の大手家具通販サイト『ホームデポ』やファッションブランドの『ジェイ・クルー』などで利用されている」

 通販の事例は。

 「コンテンツやチャットを活用して接客に利用されているケースや、豊富なデータを活かしてマーケティングに利用されている。例えば、『ジェイ・クルー』ではチャットを導入しリアルタイムで接客を行うことで、20%購買率が向上した」

 「またマーケティングの利用については、インテリア販売の『クレート&バレル』では5万件のチャットの会話原稿を分析し"高さ"というキーワードが何度も浮上していた。原因を追及するとある椅子の販売ページには"高さ"に関する表記がなかったため、購買率が悪かったことがわかった。チャットの会話原稿をもとに原因を特定し商品ページを改善したことで、購買率は飛躍的に向上した実績がある」

 モバイル端末での利用はどうか。

 「米国では800社がモバイル端末向けに導入している。アプリを通じて配信するほか、サイトに導入。ウェブサイトと同様に購買率は平均20%向上した」

 「ライブエンゲージ」が日本の市場性と合致する点は。

 「SNSが浸透している日本の携帯電話市場を踏まえ、モバイル端末での導入が拡大することを期待している。文字入力に慣れている日本の携帯電話ユーザーにとって、チャットは最適な接客ツールと考えているためだ。日本はサービス文化なので、顧客と最適な形でつながる『ライブエンゲージ』が合致するだろう」
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