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東京都など6都県、健食送りつけ2社処分

2013年 9月12日 09:53

健康食品の「送りつけ商法」の被害が深刻化している。今年4月から7月まで、東京都に寄せられた相談件数は前年同月比約24倍。9月9日には、東京都を含む6都県が送りつけ商法を行う2事業者に対し、特定商取引法に基づく6カ月の業務停止命令を下した。ただ、2事業者ともすでに清算手続きを開始。会社設立から約5カ月以内の処分という早期対応で消費者被害の拡大は防いだものの、処分内容の実施を求めるのは困難な状況だ。都では、警察当局への情報提供を通じ、取締りの強化を検討していく。

 処分を受けたのは、日本サプリメント合同会社(本社・東京都港区、飯泉康成社長)と、合同会社健康計画(同、荒岡聡社長)。所在地は同じだが、代表者はそれぞれ関係性を否定。2社ともに富山にある仕入れ元から供給を受けた「煌帝」という健食を電話勧誘販売していた。

 2社は、過去に健食の購入実績のある高齢者リストを使い、注文した事実のない消費者に電話をかけて「○月○日に注文を受けた」などと不実を告げた上、消費者が受け取りを断ると「弁護士をたてるぞ」などと言い、健食の購入を迫っていた。

 契約者はいずれも80歳前後が多く、契約金額の最高額は日本サプリメントが24万円、健康計画が8万円。日本サプリメントは月1000万円前後、健康計画は2カ月で500万円前後を売り上げていたとみられる。

 日本サプリメントは今年4月に会社を設立、健康計画は同5月に設立しており、都にこれまで寄せられた相談件数は日本サプリメントが51件、健康計画が5件。早期の情報把握から6都県(栃木県、埼玉県、千葉県、神奈川県、静岡県、東京都)の合同処分につなげた。

 ただ、2社は6都県の合同調査中だった8月中に法人の解散登記を行い、現在は清算手続き中。10月にも清算を終える見通しで、このまま清算を完了すれば行政処分内容(9月から来年3月までの一部業務停止など)の実施を求めることは難しい。

 通常、業務停止命令に違反した場合は、その行為者に2年以下の懲役または300万円以下の罰金(併科あり)、法人に3億円以下の罰金を科すことができるが、法人がなくなればこれも行えない。

 都内における送りつけ商法に関する今年度の相談は1008件(9月6日時点)。すでに12年度の435件を大幅に上回っている。知名度の高い通販会社と同じ社名を名乗り、通販会社が影響を受ける可能性もある。今回のケースも大阪に本拠を置く日本サプリメントとは全くの別会社。ただ、現状ではウェブサイト等での注意喚起などで対処するのが限界のようだ。

 都では、「調査中に清算を完了して処分自体行えない案件も多い。警察への情報提供など連携して取り組む」とした。

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