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機能性見直し検討会 規制強化はサプリに限定、GMP義務化は府令で対応へ

2024年 5月16日 11:00

 小林製薬製造の「紅麹」の健康被害問題を受けた消費者庁の検討会は、錠剤・カプセル形状のサプリメントに限定して機能性表示食品制度を見直す方向で検討する。見直しは、製造・品質管理に向けたGMPの活用、健康被害収集・報告体制のルール化、消費者への情報提供のあり方に絞る。
 
 5月8日と同10日に行われた第3回、第4回の会合で議論された。サプリメントに限定する案は、複数の委員が示した。法制化による対応ではなく、内閣府令や告示の改正による対応を想定して、GMPや健康被害報告を要件化していく。

 原料の受け入れから出荷までの製造・品質の管理基準である「GMP」は、「原料受入れ」→「製造管理」→「品質管理」→「出荷可否の判断」の4段階で記録の保管や管理のポイントを定める。ただ、認証は、任意。機能性表示食品においては、GMPに基づく管理が推奨されているだけだ。認証取得も製品が圧倒的に多く、原料は少ない。

 今回の問題が異物混入(コンタミネーション)である可能性が高いことから、とくに「原料受入れ」の基準を厳格化する。ヒアリングでは、「原料受け売れ試験により製品の製造管理・品質確保もできる」(日本健康・栄養食品協会)との説明があり、複数の検討委員からもこれを求める声があった。自主点検可能なチェックポイントの明確化も検討。すでに厚労省から発出されているGMP通知を参考に、届出ガイドライン等に反映させる考え。将来的に機能性表示食品だけでなく、健康食品全体に義務化する意見もあった。

 健康被害の収集・報告は、サプリメント形状の機能性表示食品に限定して、義務化することを想定している。

 食品の健康被害報告は保健所を通じて国に報告することが求められているが努力義務にとどまる。機能性表示食品も消費者庁への報告が届出ガイドラインに規定されているが義務ではない。情報収集の内容や重篤度の判断基準は一定程度示され、症状や因果関係も併せて報告する。

 健康被害の可能性が高く、厚労所により指定された4成分は、「指定成分等含有食品制度」で独自に管理されている。健康被害報告は義務。重篤な症状は15日以内、それ以外も30日を目安に企業が報告することを求めている。

 医薬部外品や、米国のサプリメント制度では、重篤な被害は15日以内に報告を義務づけている。小林製薬の健康被害問題では、発生から公表まで2カ月以上を要したことから、「届出ガイドラインに何日以内に報告」といった規定を定めるべきとの意見があった。重篤・非重篤などの要件化、医師だけでなく、薬剤師、管理栄養士など医療関係者を含め対応を義務づけるかなど要件化を検討する。

立憲民主党、食衛法改正案を提出

 消費者庁で機能性表示食品の見直しに向けた検討が進む中、5月14日、立憲民主党は、健康被害の報告義務化を規定する食品衛生法改正案を提出した。検討会は府令を想定しているが、法改正を目指す。

 改正案では、企業に対し、機能性表示食品による健康被害の報告を義務付ける。報告を怠った場合、営業許可の取消しなど罰則も規定する。ほかに安全性に関する科学的根拠の確認手法、健康被害の救済に向けた法制度の改革など見直しを求めている。

 改正案は、「指定成分等含有食品制度」のスキームを参考にしたとみられる。ただ、国が許可する特定保健用食品(トクホ)も法律に規定されたものではなく、機能性表示食品をこれより上に定義している点で違和感がある。消費者庁は、保健所など厚労省のように地方に出先機関がなく、保健所の業務のひっ迫を招く可能性もある。健康被害救済制度も、医薬品は業許可制のため、全事業者や売り上げ(拠出金の算出)の把握が容易だが、食品事業者の把握は困難だ。
 
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