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アッカ・インターナショナル加藤社長に聞く 大和ハウスグループの成長戦略㊦ データ活用をさらに推進、アパレル以外にも領域拡大

2017年11月30日 09:58

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 前号に引き続き、アッカ・インターナショナルの加藤大和社長(=顔写真)に戦略などを聞いた。

 ――物流・フルフィル事業で求められているニーズや機能の変化は。

 「すべての機能やサービスがくっついてきていることだ。これまではAIやロボット、RFID、在庫連携などひとつずつが点でサービスインしていたが、それが線になればなるほど強さが増してくるような状況になっている。こうした状況に取引先も気づき始めているし、サービスを提供する側もニーズに応えていかないと取引先の満足度を高められない」

 ――点が線になっている背景は。

 「生産工場から消費者の手に届くまでの形が変わってきていることが大きい。無駄なものを作れないというマクロ的な市場環境と、消費者が商品を買うときのチャネルやスピードといった購買行動の変化もあり、商流の川上と川下の変化に商品の保管から流通加工、配送の形まで変わってくる。その際、もっとも利益率が高く、売り上げを上げるためにはデータを集めて活用することが必要で、各サービスが点ではデータを活用できない。であれば、点を線にしてデータを集められる器を作る必要が出てくる。当社単体ではできないが、大和ハウスグループの力を借りられることは大きい」

 ――アッカもデータ活用では強みがある。

 「データを集めるために在庫連携システム『アリス』を展開しているし、倉庫管理システム『ONE(ワン)』がAI搭載の無人搬送ロボット『ギークプラス』とつながっている。『アリス』はフロント寄りの機能で、取引先アパレル企業の在庫とささげデータを一括管理することで実際に在庫を預けなくてもファッションECモールで販売できたり、アパレル店舗のPOSシステムと連携すれば夜間の店頭在庫をECで販売できるなど、倉庫にある在庫の販売機会を増やすことに役立つ」

 ――倉庫管理システムについては。

 「取引先のオーダー情報を『ONE』が受け取り、いまはAIロボット『ギークプラス』の導入を進めているため、オーダーに対してロボットと人のエリアのどちらに指示を出せばよいかを判別して出荷を行う。今後は、商品の入荷時に『ONE』でスキャンすると通常の商品棚や『ギークプラス』用の棚、ロボット倉庫といった庫内のマルチツールを管理していく」

 ――AIロボットの注文度も高い。

 「中国のギークプラス社が開発したAIロボット『ギークプラス』は、無人搬送器が商品を保管している移動式ラックを持ち上げてピッキングステーションまで運んだり、入荷時の商品棚の移動を自動で行うため、倉庫の省人化と人手不足の解消につながる。日本では当社が初めて採用し、第1号クライアントとしてドイツの靴ブランド『ビルケンシュトック』の物流業務で本格稼働を始めたのに続き、靴を中心に5~6ブランドをAIロボットのエリアで扱っていて、実稼働している」

 ――得意なアパレル分野以外への展開は。

 「今後はアパレルを軸にしながらも、親和性の高い化粧品や生活雑貨、食品などにも領域を広げることが必要で、大和ハウスグループの力も借りて事業を一気に加速する。システム面では温度帯管理や賞味期限管理などにも取り組んでいる」

 ――今後の戦略で重視するKPIは。

 「当社単体の売り上げだけでなく、直接の親会社となるダイワロジテック(旧SCSホールディングス)の事業モデル構築や大和ハウスグループの拡大成長にも貢献したい」 (おわり)

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