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ユーキャン・ココチモ事業の現状は? 戦略商材の大型販促で成果、アパレル分野でも売上拡大、既存客へのDMも寄与

2018年 2月15日 10:08

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 ユーキャンの通販ブランド「ココチモ」は、戦略商品の大型販促が成功しているほか、強化中のアパレル領域でも開拓した新規顧客へのクロスセルが売り上げの底上げにつながるなど成果が出ている。

 ココチモ事業の前期(2107年12月期)は、1月中旬に「カシオ電子辞書」のココチモ限定モデルでテレビCMと新聞折り込みチラシによる大型販促を実施し、販売数量が計画比約3割増となるなど好調な出だしとなった。同商品は高齢者でも使いやすいように50音順配列のキーボードにしたことが同社の顧客層に響いたほか、独自コンテンツを盛り込んだことで買い替え需要にもつながった。

 2月以降は、今期目玉商品の仕込みも含め、さまざまな商材で販促のテストを行ったり、既存顧客にDMを打つなどして反応を探ってきた。

 12月初旬には「しゃべる地球儀」ココチモオリジナル版の大型販促をテレビCMと新聞折り込みチラシなどで展開し、販売計画を上回って1年を締めくくった。

 当該商品は1万シーンを超える映像が台座の液晶パネルに映し出されるほか、付属のペンでタッチすると国名や首都、通貨、人口などを音声で教えてくれる。また、台座に出し入れできる日本地図をタッチすることで都道府県の詳細情報を解説してくれる。

 同商品は過去、掲載時期や原稿内容など戦略的な小規模テストを数回重ね、その結果として昨年のクリスマス商戦に合わせて大型販促を実施した。新聞折り込みには「中学生の孫にプレゼントしたら大変喜んでいた」といった購入者の声や商品画像の大きさ、チラシ全体の色調などを工夫したほか、「世界だけでなく日本地図部分も強調したことが購入につながったのでは」(手島篤志ココチモ事業部長)とする。

 加えて、「しゃべる地球儀」ではウェブ施策を強化。ココチモの自社サイトと楽天市場店、ヤフー店で同商品を販売し、フリーアナウンサーの益田由美さんなどへのインタビュー記事を載せたり、筑波大学教授に商品の魅力を語ってもらうなど、特集企画ページを充実させた。楽天市場店ではデイリーや週間のランキングで上位に入って露出が増えたこともあり、ウェブ売り上げ比率はココチモの他の商品に比べて高かったという。

 前期は、ふたつの戦略商品がしっかりと購入につながったことで、売上高は前年を大きく上回る約80億円で着地し、ココチモ事業スタート時に設定した目標の100億円が見えてきている。

 また、強化中のファッション分野では、日本製と天然素材にこだわったオリジナルブランド「着心地のいい服」が開始から約3年経過し、50~70代女性を中心に顧客数が順調に増え定着化してきており、年4回配布する専用カタログは安定的に利益が出ている。

 ファッション分野では、従来は取引先からの商品提案を重視してきたが、約1年前からはアンケートや座談会などを通じて吸い上げた顧客ニーズをMDに反映し、手応えをつかんできている。

 カタログはアパレルが中心だが、国産牛革を使用した日本製サンダルなどファッション雑貨については、単品で商品紹介用のDMを送るなど幅広い商品を提案できるようになり、売り上げの底上げに寄与していることから、今期はファッション雑貨をさらに強化する考えだ。

 また、「着心地のいい服」として今期中にも楽天市場への出店を計画。新しい顧客層の開拓に乗り出すとともにウェブ比率向上にもつなげる。

 一方の食品カテゴリーは、"国産"と"(化学調味料)無添加"がコンセプトの「おいしい食卓」で、「着心地のいい服」の販促手法を横展開していく。カタログでは今後、より生産者の顔が見える品ぞろえと打ち出し方を模索していくとともに、食品の購入者を対象にした単独のDMでは、キッチン雑貨などをすでに提案し始めている。

 なお、同社は今年1月、目白オフィス内にEC事業部を開設。通販サイト「ココチモ」と、CD・DVD、書籍などを扱う「ユーキャン通販ショップ」の担当者が集結し、同社のEC戦略をひとつのチームで見ることで、ウェブ施策の迅速化と共有化を図っていく。

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