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成長支える物流戦略③「QVCジャパン」、仕分けエリアを毎日変更

2010年 7月11日 20:18

自動倉庫から1日分補充

QVCジャパン(本社・千葉市美浜区、クリス・ホロビンCEO)は、番組のオンエア状況によって毎日異なる商品特性に対応するため、2種類の自動倉庫を活用した商品の保管、仕分け体制を構築している。

 同社では、その日の受注分は「翌日出荷」が基本で、出荷量は1日平均3万ピース、特番の放映日などは7~8万ピースに膨れ上がる。

 オンエア前にはすべての商品を保管しておく必要があり、同社の商品センター(千葉県佐倉市)では15万個のカートンと、2万5300枚のパレットを収納できる自動倉庫2機を整備している。

 出荷の大部分をTSV(トゥデイズスペシャルバリュー)商品が占めるため、放送する商品に合わせて仕分け(ピッキング)棚のロケーションを毎日変えているのが特徴。

 物流の要となる仕分け作業については、朝一番で前日のオーダーを自動倉庫からピッキング棚に補充し、残りは在庫として自動倉庫に戻す。仕分け作業が終わる頃には、ピッキング棚は空になり、翌朝、また受注量に見合った点数を棚に持ち出す作業の連続で、先行するドイツ法人のノウハウを活用しているという。

 「一見、手間のかかる業務フローに見えるが、商品カテゴリーごとに日々、出荷量が変化するテレビ通販には効率的なオペレーション」(同社)とする。

 倉庫全体の使い方を見てみると、センターの倉庫エリアは3層構造になっており、1階は入荷バースと、1人1点のみを購入する「シングル品」のオペレーション、24の梱包ラインなどを設置。

 3階は、セキュリティーを厳重にしたジュエリー取扱エリア、ハンガー商品の在庫保管、返品対応エリア、ハードグッズの品質管理エリアとして活用している。

 4階は、複数点購入のオペレーションを行うため、自動倉庫と仕分けエリアをコンベアーで結ぶ。複数点購入のピッキングエリアは大量出荷、中量、少量エリアと大きく3つに分けており、商品の出荷量に応じてパレットやカートン、ピース単位で自動倉庫から補充する。

 少量エリアは、ロングテール商品にも対応。ネット受注の伸びなどもあり、昨年から拡張している。以前は固定の棚を使用していたが、可動式の棚に変更して、フレキシブルな対応ができるようになったとする(写真)。
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 4階に47カ所ある梱包ラインでは、商品と送り状をスキャンすることで、梱包資材や同梱のチラシなどを選ぶ指示が表示される。慣れた作業員で1時間に50ピースを梱包するという。

 QVCジャパンでは、現在の800億円強の売上高に対し、1200億円程度までは現在の運営で問題ないとしており、自動倉庫も増床を前提に設計している。

(おわり)


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