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東通メディア シエンプレと業務提携、広告の不正クリックを無料診断

2021年 7月22日 10:00

 通販基幹システムの提供など通販支援事業を行う東通メディアはこのほど、デジタルクライシス対策を行うシエンプレと業務提携した。クリック数を不正に水増しする「アドフラウド(広告詐欺)」等の問題に共同で取り組む。広告運用の最適化を図ることで、運用パフォーマンスを高めることができるという。2週間の無料診断サービスも提供する。

 
 シエンプレは、グーグル広告における無益なクリックを排除する「FICS(フィクス)」を提供する。東通メディアは、通販業界における専属代理店になる。

 グーグル広告において、広告として機能しない「無益クリック」は、2~3割あるとされる。悪意のない、消費者による誤クリックのほか、悪意のある不正業者やボットにより引き起こされるものがあり、広告運用の面において課題になっている。

 「FICS」は、IPアドレスやホスト名、地理的情報などネットワークレベル、ランディングページにおける不審な振る舞いなどブラウザレベル、誤クリックを誘発する不正媒体や不正ソフトウェアの検知など多様な要素から「無益クリック」を検出。グーグル広告の管理画面にIP登録するまでを自動で行う。検知は2時間に一回の頻度で行われ、最適な状態を維持する。

 無益クリックを排除し、これに使用されるはずだった広告予算を再分配することで正規の「有益クリック」を増やす。

 導入実績のある企業の一例では、無益クリックが16%あり、毎月180万円を超える広告費が無駄になっていたが、FICSを導入したことで、サーチ広告で顧客獲得単価が約14%改善、コンバージョン率が1・2倍になったケースがある。この企業の場合、同時期に行ったヤフーの広告では、顧客獲得単価が32%悪化、コンバージョン率が4分の3になっており、導入効果が得られたとする。ヤフー広告は、指定したIPアドレスに広告配信しない機能が実装しておらず、現時点で対応できない状況にあるという。

 「グーグル広告を月額300万円以上利用する事業者であれば、利用額を除いても効果が得られる」(東通メディア)とする。

 東通メディアは、導入を前に「FICS」を使った広告運用の2週間の無料診断を提供する。これにより「無益クリック」を可視化。通販企業への本導入を進めていく。
 
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