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newn 下着のD2Cブランドを傘下に、自社開発に限定せず領域を拡大

2022年 9月22日 11:30

 D2Cブランドを手がけるnewn(ニューン)は9月15日、リリートレーディングが発行する全株式を取得して完全子会社化し、併せて同社が運営していたランジェリーブランド「タイガーリリートーキョー」のリブランディングを実施してブランド名を「yeni(イェニ)」に変えて再始動したと発表した。

 newnは、小柄女性向けのアパレルブランド「コヒナ」やチーズケーキブランド「ミスターチーズケーキ」などのD2Cブランドを展開している。新たにランジェリーのD2Cブランドを獲得したが、引き続き、特定の産業に限定せず、「モノだけでなくライフスタイル自体にフォーカスしたブランド、NFTやweb3といった新しいテクノロジーを活用したブランドづくりに挑戦していく」(中川綾太郎CEO)としている。

 同社は”Tecnology&CRAFT””Empower DOERS”の思想のもと、起業家やクリエイターの個性を尊重し、各ブランドの成長をサポートして多様化する消費者ニーズに対応できる新時代のブランド創出に挑戦してきた。

 これまでにアパレルやジュエリー、コスメ、フード、ヘルスケアの各カテゴリーでブランドを展開してきたが、事業領域の拡大を模索する中、中川CEOの知人で起業家のリリートレーディング九冨里絵氏から事業の相談を受けたのが今回の買収のきっかけだった。

 リリートレーディングはスタートアップとして経営に苦戦していたものの、創業者の九冨氏に高い熱量があることや、”自分らしく生きるためのランジェリー”という世界観に共感。また、ブランドの濃いファンがいることから、newnが支援することで、成長の可能性があると判断した。

 新たな領域で専門性がない中、ゼロから内製で事業展開するのは時間も労力もかかるが、ランジェリーの中でもノンワイヤーブラという新しい市場に2017年から着目してきた九冨氏の専門性の高さや生産背景とネットワーク、ブランドの顧客基盤、既存のヒット商品の存在が買収の決め手となったようだ。

 「タイガーリリートーキョー」をリブランディングし、ブランド名を「イェニ」に変更したが、ブランドの目指す世界に変わりはないため、引き続き九冨氏がディレクターとして指揮をとる。

 一方で、「タイガーリリートーキョー」は固定化されたイメージもついていたため、「ブランドが目指すビジョンを達成するにはどんなプロダクトが必要か、どんな価値を提供できるかを再定義し、時代の変化にあったブランドを届ける目的でリブランディングを行い、ブランド名を変更した」(中川CEO)とする。

 newnによると、才能のある個人やクリエイター、起業家が運営するブランドで、ポテンシャルは高くても一時的な経営難や成長課題を抱えているブランドは少ないないことから、「内製でのブランド立ち上げにこだわらず、そうしたブランドを買収して再現性をもって成長させることで、当社の持続的な成長を目指していく」(同)という。

 
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