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ベガコーポレーション 直営店からEC送客進む、福岡エリアでの受注数が拡大

2023年 8月17日 12:00

 家具や日用品などのネット販売を手がけるベガコーポレーションでは、今春に開設した直営店効果により、店舗周辺エリアである福岡県内のEC受注割合が増加している。来店者の約1割が購入にまで至っていることから、今後は売上高構成比が高いエリアを優先して直営店を出店していく考え。

 同社はインテリア通販サイトの「LOWYA(ロウヤ)」ブランド初となる実店舗「LOWYA九大伊都店」を今年4月に福岡市内に開設した。同拠点は産学連携により新産業・新事業の創出を目指して作られた新しい街の「いとLab+」内で、研究開発棟を軸に商業棟やテナント棟、住居棟で構成されているもの。

 店内には、ECで取り扱う4000点以上の商品すべてではなく、一部入れ替えを行いながら600点程度の商品を展示。どの商品にもQRコードを添付しているため、ECのみで決済できる商品もあれば、その場で購入できる商品もある。店頭決済時には会員登録を促しており、ロウヤで使えるポイントも付与しながら、ECも含めてリピートできるような販促を取り入れている。

 ソファやテレビボード、キャビネット、キッチンボードといった大型商品を展示しているほか、商品単体だけではなく、いくつかの組み合わせでコーディネートした展示も行うなどブランドの世界感を表現している。

 4月8日の開設以降、店舗周辺地域である福岡県からのEC受注割合が増加。全体に占める同県の受注割合は、開店前の3月は4・3%~4・4%程度だったが、オープンした4月は約5・4%、5月は約5・8%、6月は祝日が少なく雨が多かった影響でやや落ち込んだものの5%超を維持するなど好調が続いている。

 実際に来店者にロウヤを知っているかを確認したところ約8割が認知している結果となり、ネットでの取扱商品の現物を確認したいとするニーズに対応できた拠点となっているようだ。「肌感としては来店者の内、10%くらいが実際に購入までしてもらえている印象」(同社)と説明。一般的なECよりも高い購買率となっており、リアルでのタッチポイントの拡大が売り上げ拡大につながっていると見ている。

 それに伴い、今後は売上高構成比や人口集積率の高いエリアを優先して直営店舗を出店することを検討。まずは、今年末から来年初春をめどに、大阪市浪速区の商業施設である「なんばパークス」に2号店目となる直営店を出店する。関西エリアの主要ターミナル駅の難波駅に直結し、約230店舗が出店する商業施設内であることから、多くの集客を見込んでいる。そのほか、名古屋や東京といった大都市圏でも出店を検討しており、全国に拡大していく考え。
 なお、リアルでのブランド認知拡大施策としては、直営店の開設に先駆けて昨年より大型ショッピングセンターの「イオンリテール」への卸売り事業も並行して行っている。

 昨年9月の「イオンスタイル幕張新都心店」(千葉県)を皮切りに、翌月には「北戸田店」(埼玉県)にも開設。今期は4月に「茅ケ崎店」(神奈川県)で98商品、6月には「佐久平店」(長野県)で78商品、「岡山店」(岡山県)で67商品をそれぞれ展示しており、現状、5店舗で展開している。
 
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