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アマゾンジャパン 北海道で生鮮品EC開始、食品スーパーのアークスと協業で

2023年10月 5日 12:00

 アマゾンジャパンは今冬をメドに、北海道の一部地域で生鮮品などの食品などを受注から最短2時間で配送する有料会員向けのECサービスを開始する。北海道や東北などでスーパーマーケットチェーンを展開するアークスと組み、同社の実店舗で商品をピッキングし顧客宅に配送する。アマゾンではこれまで直販のほか、ライフコーポレーションやバローHDらと組んで関東や関西、中部で生鮮品のECは行ってきたが北海道での展開は初めて(画像=食品ECで連携したアマゾンとアークス(左からアマゾンの荒川本部長、アークスの横山社長、猫宮取締役執行役員))。
 








 アマゾンがアークスと組んで北海道の札幌市および北広島市の一部エリアで開始する生鮮品を含む食品のECサービスは、すでにアマゾンと食品ECで連携して各地域で展開中のライフやバロー、成城石井と同様、アークスがアマゾンの通販サイトに出店する形で実施。アマゾンの有料会員である「プライム会員」がアマゾンのサイト上の「アークスネットスーパー」で注文した情報をもとに札幌市および北広島市内のアークス傘下のスーパーマーケットチェーンの「ラルズ」の対応店舗で選任スタッフが当該商品をピックアップし梱包後、店舗でアマゾンの配送員がピックアップ、顧客が設定した時間帯に配送する流れ。最短では注文から2時間以内に配送するという。なお、北海道内にはアークス傘下のスーパーの店舗は220店舗あるが、アマゾンと連携する対応店舗については明らかにしていない。また、配送対応時間や配送料などの詳細も明らかにしていない。「ライフやバローなど(すでにアマゾンと連携して展開中の他社の生鮮品ECサービスと)配送時間帯や配送料金などは同様にしなくてもよいと考えている。地域のニーズの踏まえながら、アークスと協議していく」(アマゾンジャパンの荒川みず恵Amazonフレッシュ事業本部本部長)という。

 取扱商品は今冬のスタート時点ではスーパーの実店舗で取り扱う商品のうち、9000品目を予定。野菜や果物、鮮魚、精肉などの生鮮品のほか、店内で作りたての総菜や酒、日用品を販売していく。価格については一部の商品を除き、店舗とほぼ同等の価格で販売していく予定としている。

 展開エリアにはまず北海道の札幌市と北広島市の一部エリアで開始後、順次、ピッキング対応店舗を増やし、北海道内のほか、実店舗を持つ青森県や岩手県などの東北地域での展開も進める模様。

 EC事業の売り上げの目標についてアークスでは北海道内の札幌市を含む9市12町で展開中の自社運営のネットスーパー「アークスオンラインショップ」は実店舗の利用者、アマゾンと連携したサービスではプライム会員とターゲットが異なるため、食い合いがなく、売り上げの積み増しが見込めるとしたうえで、具体的な数字については明らかにしていないものの、「(自社運営のネットスーパーの)売上高が今年(2024年2月期)で12億円程度となる見込み。自社サイトもまだまだ強化していき今後もさらに伸びていくと確信しているが、アマゾンとの連携でさらに(EC事業拡大は)強固なものになってくるだろう」(猫宮一久取締役執行役員)としている。

 アークスは地域密着のスーパー10社を傘下に持ち、北海道、東北、北関東エリアで合計378店舗を展開する食品スーパー事業者でグループ合計の年商は5662億円となっている。

 
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