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公取 ヤフーと米グーグルの提携、改めて「問題なし」

2010年12月 9日 10:32

 公正取引委員会は12月2日、ヤフーが米グーグルと検索サービスなどで提携する件で、改めて「現時点では問題ない」との見解を示した。ヤフーは今年7月、それまで使用していた米ヤフーの検索エンジンなどを米グーグルのものに切り替えると発表。これにより日本国内の検索シェアの約9割が米グーグルのものになることから、公取委では同分野での影響の大きさを考え調査を行っていたが、「技術提供後も競争は行われる」などの理由から「引き続き調査を行う必要はない」と判断した。ただ、両社の提携は検索連動型広告やSEOなどで大きな影響を及ぼすため、通販事業者は今後も注視していく必要がありそうだ。


 公取委は今年7月、ヤフーと米グーグルから独占禁止法上の問題について相談を受け、その際に「問題ない」と回答。その後、楽天などが「情報独占につながりインターネットサービスの公正な成長を阻害する」として独禁法に基づく調査を求めていたため、提携の進捗状況などについて調査を行っていた。

 調査の結果、検索サービスに関しては、ヤフーが独自の分析や情報を付加するため検索結果が異なる場合があるとし、独自性は確保されていると判断。また、検索連動型広告でも、(1)運営はそれぞれが独自に行う(2)ヤフーの検索連動型広告の情報にアクセスできるのは米グーグルの一部の技術者のみで、広告システムの保守管理等の業務に限定されるなどの点から、情報共有などは行われず、両社が活発に競争していくものと判断したとする。

 公取委では今後の対応について、専門のメールアドレスを設置するなどし「引き続き注視していく」としている。また、調査を求めていた楽天は「引き続き十分な検証と活発な議論が行われていくことを期待している」とした。

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