定期誘導にも注意が必要

2013年08月08日 16:59

2013年08月08日 16:59

「送りつけ商法」が社会問題化している。商品を勝手に送りつけ受け取ったとして消費者に代金を支払わせる販売手口で、消費者の相談が急増している。

国民生活センターが公表した2012年度の消費者相談でネガティブ・オプションに関する相談は4113件で、前年度から約2倍に増加。送りつけ商法での取り扱いが多い「健康食品」も、2万7000件と前年度から約2倍以上になった。

国センは昨年11月と今年5月に送りつけ商法に関する相談をまとめ、「高齢者を狙った手口が多く悪質」と指摘。東京都も今年6月に、6都県と連携して送りつけ商法の事業者2社を処分した。

「送り付け商法」の社会問題化は、通販事業者にとっても注視する必要がありそう。定期購入を前提に割引商品を販売する新規顧客策が、ネガティブ・オプションと混同されるおそれがあるためだ。国センは「通販に関する相談で『1回のつもりで健康食品を購入したが定期購入だった』などとする相談が目立つ」という。

国センはこれまで「被害の未然防止」の観点から相談件数の増加を理由に注意喚起を実施し、存在意義を示してきた。今後、消費者庁や消費者委員会と連携し、その提言や要望を政策に反映させる。国センの注意喚起が行政の調査の端緒になる可能性もあるだけに、事業者の表示責任はますます重くなりそうだ。
 

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