〈市場考察〉 オーラルケアEC市場の広告露出が減少 審査厳格化、店頭活性化が影響

2026年05月13日 15:17

2026年05月13日 15:17

 マウスウォッシュのEC市場は、前年に続き縮小傾向にあるとみられる。ウェブ広告の審査厳格化による獲得効率の悪化に加え、店頭市場や関連クリニックに顧客が奪われ、各社、広告投資を抑えているようだ。



0514112406_6a0532462bf91.jpg EC市場のマウスウォッシュは、口をゆすぐことで口腔内のタンパク質と配合成分が結びつき、〝汚れが見える〟という効果実感が得られる製品が市場拡大を後押ししてきた。EC各社が同じOEMメーカーに委託して同様の製品が手がけ、広告露出が増えたことで認知が高まった。

 最初に市場に参入したのはサン・クラルテ製薬だ。主力の「ゴッソトリノ」(30包・税込4015円)は、分包タイプで持ち運びの利便性も顧客から支持を得た。25年4月期のオーラルケア製品の売上高は約12億円。「前年からほぼ横ばいの状況」(同社)という。

 関連製品を含めた事業拡大に向け、「ゴッソトリノ」の新フレーバー(アップル味)の投入、口臭ケアの炭酸タブレット「ウルオイキ」など商品ラインアップを拡充し、クロスセルを強化している。マウスウォッシュのボトルタイプも取りそろえ、利用シーンに応じた商品も増やす。26年4月期の見通しは「大幅な増減はない」(同)としている。

 ソーシャルテックは、主力の「ブレスマイルウォッシュ」(税込6530円)単体の売上高が同34%減の約19億円、シリーズ3製品の売上高も同約15%減の30億5100万円と苦戦する(25年3月期)。歯磨き粉「ブレスマイルクリア」の新規獲得が堅調だったことで減収幅を抑えた。26年3月期もシリーズ3製品で23億4700万円と落ち込んだ。

 市場低迷の一因は、店頭市場におけるマウスウォッシュの活性化がある。コロナ禍以後、日用品大手はドラッグストアでマウスウォッシュの展開を強化している。EC市場のマウスウォッシュがホワイトニング効果などをうたうプレミアムケアであるのに対し、店頭商品は虫歯・口臭予防をうたい、価格帯も多くは1500円前後。物価高、可処分所得の少ない若者などライト層の獲得を店頭に奪われている。

 店頭市場では、ビタットジャパンが展開する「オクチレモン」(画像)をはじめとするオーラルケアシリーズの販売が好調に推移しているようだ。商品は、マウスウォッシュのEC市場拡大に寄与した〝汚れが見える〟製品と同様。通販に加え、ドラッグストアやバラエティショップ、コンビニに販路を広げている。価格も5包で264円(税込み)と安価で手軽なことから支持が広がっている。

0514112422_6a05325630660.jpg 広告審査の厳格化もEC市場に逆風だ。代理店筋によると「一部を除き、広告露出はあまり見られない」(同)。今年4月、LINEヤフーは広告プラットフォームの統合を公表しており、「LINEも今後はヤフーの広告掲載基準に沿い、より厳しくなっていく」(同)とみる。ホワイトニング訴求のクリニックの広告増加も獲得効率の悪化に拍車をかけている。前出の代理店関係者は、「TikTokのオーガニック運用は認知施策に有効だが、可処分所得の少ない若年層が多く継続に課題がある。ヤフー、スマートニュースなどは40〜50代の中高年層で継続率が高い。媒体特性を見極め最適な広告運用につなげる会社が残るのでは」(同)と話す。

 市場をけん引するソーシャルテックは、今後もマウスウォッシュへの広告投資を継続する方針。「新規獲得コストは徐々に上がっているが、競合の露出減はプラス。一定の顧客流入、収益性は見込めている」(同)とする。現状、ECモールの売上比率は3割ほどだが、モール展開に適したマウスウォッシュの開発なども検討していく。


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