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セシール  「せしまるすごろく」──継続参加で多彩な仕掛け

2012年 7月12日 13:40

 3-2.jpg新たなマーケティングツールとして話題性が増しているゲーミフィケーション。通販各社でもゲームコンテンツの活用が広がりつつあるようだが、セシールでは、昨年4月から自社通販サイト「セシールオンラインショップ」内で本格的な展開を始めたすごろくゲーム「せしまるすごろく」が、新規顧客の獲得や定着率アップなどで成果を出しているようだ。

 「せしまるすごろく」は、1週間をかけてスタートからゴールまでの順位を競うすごろくゲーム。1日1回振れるサイコロの出目に応じてコマを進む仕組みで、スタートからゴールまでの30コマのこの中には、アイテムの付与などのイベントも設定する。同社の「セシール・ネット・クラブ」会員に登録すれば参加でき、ゴール順位などに応じて「セシールスマイルポイント」を進呈する仕組みだ。

 この「せしまるすごろく」は、買い物以外で気軽に自社通販サイトに来訪してもらうことを狙ったもので、ターゲットとなる30~40代の主婦層を意識し、ネットが苦手な人でも使いやすい操作や説明などに留意。また、かわいらしい雰囲気を演出するため、同社のマスコット「せしまる」をキャラクターに起用した。

 ゲーム参加者は徐々に増えている状況で、現状、ゲーム1回当たりの参加者数は約2万人。毎週、継続的に参加する人が多いのが特徴だ。

 その大きな理由は、「あらゆる人にチャンスがあるゲーム」(ネットマーケティング企画部プロモーション課の岩河光子氏)にしたこと。

 過去の購入履歴などに関係なく、ランダムにサイコロの目が出るようにしたのもそのひとつだが、ポイントの進呈についてみると、順位(1位=5000ポイント、2位=3000ポイント、4~6位=2000円分、7~10位=1000円分)に応じたものだけではなく、20位、300位、4000位など、きりの良い順位に入った利用者やラッキー賞として777位、7777位に入った利用者にもポイントを付与する仕組みを導入している。

 これは、順位以外にもポイントが付与される期待感を持たせたものだが、このほかに毎日サイコロを振った利用者に次のゲームで利用できるアイテムを進呈するなど、継続的なゲーム参加のモチベーションになるような仕掛けを盛り込んでいる。

 一方、気になるのは、販促面での効果だが、この部分では、サイコロを振った後に表示される画面で売れ筋商品や推奨商品、ジャストシーズン商品を紹介する手法なども寄与し、「せしまるすごろく」経由の受注件数は2割程度のペースで増加。

 また、新規顧客についてみると、すごろくに参加している人とそうでない人では、すごろく参加者のリピート率が1・5~2倍になるといった傾向も出ているという。

 因みに、1回(1週間)のゲームで進呈するポイントは合計3万5000ポイントで、そのコストを年間ベース(52週)で計算すると約180万円。ゲーム参加者数や受注状況の推移、新規顧客のリピート率などを勘案すると、「せしまるすごろく」は、費用対効果の高い施策となっているようだ。

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