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集英社 ショップチャンネルから「ミラベラ」を譲受

2013年 8月 8日 16:37

021.jpgのサムネール画像 集英社は7月11日、ジュピターショップチャンネル(JSC)からデザイナーズブランドを扱う通販サイト「ミラベラ」の事業を譲り受け、8月8日に同サイトを再始動させた。「ミラベラ」の譲受額や売り上げ実績、会員数などは非公表だが、集英社では今回の事業譲受により「ウェブ上の陣取り合戦で新たな陣地(取引先ブランド、客層、市場)を獲得した」(ブランド事業部ダイレクトマーケティング室)とし、通販事業の強化に本腰を入れる。

 「ミラベラ」はJSCが2008年4月に開設した通販サイトで、テレビ通販では条件的に取り引きできないハイブランドの取り込みなどを目的にスタート。その後は、テレビ通販番組「ミラベラTV」などでもハイブランドの商材を扱えるようになるなど一定の成果を得ていた。

 ただ、JSCは事業の選択と集中を進める中で、テレビで紹介した商品を簡単にネットで購入できるなど、テレビと連動したネット販売事業を優先させるため、方向性の異なる「ミラベラ」を手放すことになったという。

 集英社は、自社通販サイト「フラッグショップ」を軸に通販を展開。雑誌「エクラ」や「バイラ」「モア」などで実施する誌上通販からの導線もあって各雑誌の読者層などを取り込んできたが、「ミラベラ」を譲り受けることで領域をさらに広げ、日本ではまだ小さいハイブランドのネット販売市場の開拓に乗り出すことになった。

 サイト運営は集英社に移ったが、「ミラベラ」の名称はもちろん、"デザイナーズセレクトショップ"のコンセプトも維持する。JSCの運営下でリニューアルの計画があったことから、新しいロゴ、デザインを引き継いだという。また、商品の見せ方についてはファッションアイテムの丈感や雰囲気を重視し、全商品で顔を表示しないモデル着用画像に変更する。

 今回の事業譲受に伴って取り引きをやめたブランドはないが、今秋冬シーズンについては買い取り商品の手当てが間に合わないことから、従来のブランド数(約100)に対し6割前後の品ぞろえで再始動し、14年春夏からはこれまで通りの規模感に戻るという。

 集英社の「フラッグショップ」は雑誌読者の流入が多く、セールを待たずに定価で購入する顧客の比率が高い。刷新した「ミラベラ」でも正価での販売に注力し、収益性の高いサイトを目指す。ただ、「ミラベラ」の取り扱い商品は単価が高いため、送料無料、返品・交換無料のサービスを導入し、購入しやすい環境を整備する。

 「ミラベラ」の認知度向上に向けては、雑誌からの導線を作るほか、通販サイト「フラッグショップ」全体で送客する。

 雑誌はとくにファッションモード誌「シュプール」と連携。同誌の1月号(11月23日売り)では創刊25周年を記念してブランドとのコラボ商品に取り組む計画のため、オリジナル商品を「ミラベラ」で販売する。

 また、年2回、優良顧客に配布する「フラッグショップ」の通販ブックでも「ミラベラ」を紹介。既存客への配布だけでなく、コーヒーショップ「エスプレッサメンテ・イリー」各店に当該誌を設置する取り組みも行う。

 なお、集英社は「今回の"縁"を大切に『ミラベラ』以外も含めてJSCと協業の可能性を探りたい」(ブランド事業部ダイレクトマーケティング室)としている。

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