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シュッピン ネット売上高100億円へ、ネットが店舗上回る

2013年 9月 5日 18:04

031.jpgのサムネール画像 カメラ販売のシュッピンのネット販売事業が好調だ。2013年3月期のネット販売売上高は、前期比37・0%増の62億3900万円となり、店舗の売上高を初めて上回った。同社では、比較的値段の下がりにくいカメラや腕時計などの中古・新品を取り扱っている。今後はネット販売売上高100億円を目指し、投資を進める方針。

 同社が取り扱う商材は、カメラ・時計・筆記具・自転車。カメラ販売の「マップカメラ」など店舗もあるが多店舗展開はせず、1商材1店に限定。店舗とネットで中古品の買い取りを行っている。ローコスト運営を徹底し、ネット販売に注力することで「商材を適正価格で買い取り、販売することができる」(広報・IR担当)。

 主力はカメラ販売で、全売上高(約124億円)の約74%を占めている。同社の鈴木慶社長は、パソコン販売のソフマップの創業者としても知られる。中古パソコンの価格下落に苦しんだ経験から、シュッピンでは値段が下がりにくい商材を取り扱っているという。自社サイトのほか、楽天市場とアマゾンに出店している。

 カメラでは中古品と新品の販売比率が1対1となっている。中古品の方が利益率は高いものの「中古品を下取りに出して新品を購入する」(広報・IR担当)という流れができていることから、中古品の品揃え拡充のためにも、新品の取り扱いが重要になっている。コンパクトタイプのデジタルカメラはコモディティー化が激しいが、同社の主力であるミドル・ハイエンド向けの一眼レフデジカメや周辺機器に関しては、家電量販店などと比較しても価格差がない。そのため、下取りに来た顧客のうち、約50%が新品や中古品を購入していくという。

 近年はネット販売が拡大。特に、昨年12月の上場以降は認知度が向上したほか、消費意欲の改善もあり、大きく伸びている。中古品の状態が良く分かるように通販サイトの商品ページには写真を多数掲載。フォトプレビューのサイトも運営している。

 今後は、サイト刷新に向けて1億円強の投資を予定。スマートフォン・タブレットに最適化されたサイトのオープンを計画している。また、8月には基幹システムの入れ替えを実施しており、コンテンツ管理システム(CMS)導入で、一部外注していたサイト作成や管理などを社内で行うことが可能になった。

 新規客の獲得に関しては、カメラ専門誌に広告を出しているほか、SEOに注力。商品名で検索されることから「商品をきちんと集められるかどうかが集客対策になる」(広報・IR担当)。在庫は店とネットで共通しており、ほぼリアルタイムで在庫状況を刷新。余分な在庫を持たないことで、適正なマージンを取る仕組みだ。

 カメラに次ぐ売上規模となる時計事業の前期売上高は28億3800万円。同社では「価値ある在庫を揃えるなど、カメラ事業と同様の手法で伸ばしていきたい」(同)としている。

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