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ニッセンHD 定時株主総会で佐村氏の取締役選任付議、副社長就任の見方も

2010年 2月22日 01:57

 ニッセンホールディングスは2月5日、3月18日開催予定の定時株主総会で新任取締役にニッセンの佐村信哉社長を選任することを付議すると発表した。同日、通販事業を軸に、業容の拡大を図っていく内容の新中期経営計画を公表しているが、一部では佐村氏がニッセンHDの副社長に就き、中計達成に向けた陣頭指揮を執るとの見方が浮上している。

 今回の発表は、現役員の任期満了を受けたもの。株主総会では、片山利雄社長はじめ取締役7名(うち4人は社外取締役)の再任、新任取締役として佐村氏の選任などを付議する。中核となる通販での事業経験が中期経営計画の達成に向けた推進力になるというのが、佐村氏の選任理由だ。
 
 ニッセンHDでは当初、通販、現販、金融の三本柱でグループの業容拡大を図る計画だったが、法整備などの環境変化もあり、実質的には通販事業一本でグループ全体を支えているのが実情。2009年12月期の業績を見ても、現販事業は催事事業からの撤退で減益要因が払拭されたものの、売上高は大幅に減少。金融事業についても、売り上げ規模は20億円弱と小さく、当面は通販事業に頼らざるを得ない状況だ。

 このため、新たに策定した中期計画では、通販事業のブラッシュアップ、中国市場やシニア市場への展開を図る一方、通販周辺での新規事業創出を構想。金融事業および現販事業でも通販の顧客基盤活用を視野に入れるなど、通販を軸にグループの成長を目指す内容で、通販事業を担当してきた佐村氏のニッセンHD取締役就任は不可欠というわけだ。

 一方、ニッセンHDの経営体制についても、社長兼CEOの下に副社長兼COO、CFOを置き、さらにシニア市場等の事業開発や海外、インフラ、通販、金融、現販の各担当を配置する形に刷新。カギとなるのは、全事業を統括する副社長兼COOだが、証券アナリスト等の間では佐村氏が就任するとの見方が濃厚だ。これについてニッセンHDは、「発表したこと(株主総会への取締役選任の付議)以上のことはお答えできない」(広報担当)とするが、すでにニッセンHD側では、一部の証券アナリスト等に説明をしているもようで、トップ交代の布石ではないかとの憶測も流れているようだ。
 
 通販事業を柱に新たなグループ戦略を進めるニッセンHD。かじ取り役となる新体制との動向が注目されるところだ。
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