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ANV社 中国TV通販で女性客で開拓、帝人グループと連携深める

2010年 7月28日 19:18

 中国でテレビ通販を展開するアジア・ネットワーク・ベンチャーズ・リミテッド(ANV社=本社・中国上海市、金泳秀CEO)は、同社に出資する帝人グループのNI帝人商事(同・大阪市中央区、北野弘社長)と連携してアパレル分野などの商品提案力を高め、増加傾向にある女性顧客の囲い込みにつなげる。年内には、自社スタジオを整備して生放送を開始する計画で、混戦が予想される同国のテレビ通販業界で現在の4番手からビッグ3入りを目指す。

 ANV社は、上海市をはじめ江蘇省、浙江省、広東省、山東省など中国沿岸部を中心に約60都市で1600万の視聴世帯をカバーするテレビ通販のネットワークを構築している。24時間放送で30分ごとに1商品を販売するため、1日に投入するアイテムは48商品。客単価は6000~7000円という。

 これまで、中国のテレビ通販はデジタル家電や家庭用品が主力だったが、テレビ通販で買い物をする女性客が増えていることもあり、衣料品や化粧品といったファッションアイテムの販売が伸びている。これに伴って、同社でも客単価は従来の1万円程度から下落しているのが実情だが、売り上げ構成比はファッション分野が家電、家庭用品と肩を並べるまでに拡大している。このため、同社に出資するNI帝人商事と連携して女性向け商材を強化し、当該層の囲い込みを狙う。

 ANV社には、昨年8月に帝人グループのNI帝人商事が5・9%を出資したほか、日本のキッチン用品大手や健食企業も数%の株式を取得している。

 NI帝人商事とは、共同で商品開発チームを設置。ANVが持つ顧客データを基にアパレルおよびホームファニシングシ商品の開発を行っており、昨年末からは女性用の保温下着やマフラー、カシミヤセーターなどをNI帝人商事ブランドで販売。現在は、同社との開発商品を1日1商品は放映するなど、連携を深めている。

 一方で、日本企業の商品を中国の通販番組で紹介する取り組みも同時に行っており、まだ大ヒット商品は出ていないものの、これまでに洗濯袋やマッサージ器などを番組に投入している。

 同社によると、中国のテレビ通販は当面は年率50%程度の高成長が見込まれており、放映枠の獲得競争やテレビ局と通販企業の合弁会社設立など、各地で陣取り合戦が激化しているという。

 テレビ番組については全国放送、省エリア放送、都市エリア放送の3つに分かれているものの、各都市でどの番組を放映するかはローカル局が握っておりANV社としても各地域のテレビ局との提携を進めることで視聴エリアの拡充を図る。

 また、現在はスタジオを借りて録画放送しているが、自社スタジオを整備して年内にも生放送を開始する。まずは1日2~6時間程度でスタートする計画で、「ライブ放送や商品の品質、物流サービスを重視して競合との差別化を図る(中西浩史取締役)考えだ。

 ANV社では、09年12月期のテレビ通販売上高約50億円に対し、11年12月期には150億円を目標にしており、そのうち10%はNI帝人商事の商品を販売したい意向。


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