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「urutere」 「テレビCMの力、最大に」、放送とネット広告組み合わせ、費用対効果の可視化も

2021年 6月24日 12:30

 通販支援事業を行うトライステージのグループで、ネット広告事業などを展開するアドフレックス・コミュニケーションズが今夏から本稼働を始めるテレビCMと検索連動型広告などのインターネット広告を組み合わせて、テレビCMの効果の最大化と費用対効果の可視化を図る新サービス「urutere(ウルテレ)」が堅調に利用社数を伸ばしている。

 4月のサービスリリースから様々な業種の事業者からの反響があり、すでに電力の小売り事業を行うHTBエナジーなど複数社と契約。今後もテレビCMとネット広告を組み合わせて新規顧客の獲得を目指す通販を含む様々な業種の事業者にアプローチし、初年度で10社程度の利用社数の獲得を見込む。

 テレビCMは、その強いリーチ力などから、新規顧客獲得に効果があることは間違いないが、高額な制作費や媒体費のほか、具体的な成果・効果を図りにくい点などから出稿には二の足を踏む事業者は少なくない。比較的、安価にかつ費用対効果が把握できる同サービスによって新規広告主の獲得を進めつつ、その後、テレビCMの出稿を継続的に促し、新たな事業の柱の1つに育てていきたい考えだ。

 「urutere」とはテレビCMの実効果を把握しながら、本格出稿を前にテストマーケティングができるサービスだ。従来、スポットCMは放映後ではないと「〇時〇分」といった正確な放映時間は分からなかったが、独自開発した仕組みでCM放映時間を速やかに把握。当該CM放映と同時に関連キーワードの検索連動型ネット広告を強化。CM放送エリアのキーワードの入札価格を上げてネット検索結果画面の上位に当該社の広告が表示されるようにし、CM内容に連動した広告分に切り替えるなどで、CM視聴で当該商品・サービスに興味を持ってネット検索を行ったユーザーを効率的に広告主のウェブサイトに誘導、実購入や実契約へと促すほか、CMと連動したネット広告から誘導したWEBサイトでの購入や契約のコンバージョン(CV)数を計測することでこれまで費用対効果がつかみにくかったテレビCMの実効果を可視化できる。

 「urutere」ではCM制作とCM出稿のための媒体費、CMと連動して出稿するネット広告費用、CMやネット広告の効果の分析結果を表示する管理画面の利用などをパッケージにして提供。具体的にはグループのトライステージが培った効果的なCM映像制作のノウハウを活用して15秒または30秒のテレビCMを2パターン作成、地方局でABテストを行いつつ、30~40本程度の出稿を行う。費用はCMを出稿する放送局などによって異なるが、300万円程度で実施できるという。

 「urutere」の終了後、さらにテレビCMを出稿したい広告主にはABテストで結果のよかったCMをベースに、視聴者が多い関東圏などのテレビ局でも出稿したり、出稿局数を増やすなどの取り組みを進めていくという。

 「事業者にとってテレビCMを出稿する際、効果がよく分からないものに数百万円は出せないのが普通だ。(urutereで)なるべく制作費用を安価に抑えつつ、効果的にネット広告を組み合わせた『urutere』を活用いただくことで単にテレビCMを放映するより効率は大きく向上する。テレビCMの費用対効果を可視化してその効果を実感して頂き、継続してテレビCMや連動したネット広告の出稿を促すことが目的」(桑畑治彦社長)という。

 今後、出稿したCMやネット広告の効果がリアルタイムで表示できるよう管理画面を改善していくほか、テレビCMと連動して運用する広告も拡大。検索連動型広告をはじめとしたネット広告のほか、デジタルサイネージなどとも連動した運用も来年をめどにスタートする計画などサービスレベルの向上を行っていく。

 すでに電力の小売り事業を行うHTBエナジーが「urutere」を利用することを発表。このほか、カードローン、人材派遣サービスを行う事業者などの活用も決まっているという。「ネット広告だけではリーチ数には限界があり、新規顧客を大量に獲得するためには、やはりテレビCMが効果的だ。認知度が低いが、価格や品質の面などで優位性が高い商品やサービスを展開する事業者はテレビCMの効果が出やすい。そうした事業者に提案していく」(同)とし、まずは初年度10社程度を目標に利用社の獲得を進め、中期的には同社の中核サービスの1つに育てていきたい考えだ。

 
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