健康情報誌の出版等を行うオアシスは、教育事業の一環で行う資格制度「健康ソムリエ」の展開を強化する。18年の講座開設以降、健康・美容関連の仕事に従事する関係者を中心に資格取得者は400人を超えた。今後、資格取得者向けのフォローアップも充実させていく。

　「健康」の定義はあいまいだ。巷には、さまざまな健康情報、手法が溢れる。ただ、人により健康の状態や適した手法は異なる。健康診断の結果に問題がなくても、生活の中で変調を感じる人はいる。

　「健康ソムリエ」は、健康な状態を「心身ともにバランスの整った健やかな状態」と捉え、中医学、和漢など伝統医学と現代医学の両面から体系立てて健康の基礎に関する理解を深める。資格取得のプロセスを通じて自らの健康状態を測る基準を知り、適した「健康のために生活の中でできる工夫=養生」を実践できるようにすることを目指す。

　講座は、「自身の状態を知る」、「心身の健康に必要なことを知る」、「これを自身の生活に取り入れる」というステップで学ぶ。とくに、筋肉量の低下などを要因に起こる「冷え=体温低下」を体の不調の原因と捉え、「食べる・休む・動く」という生活習慣の中で、心身を温める手法を重視する。心の健康が身体に与える変調も踏まえ、ストレスとの距離の取り方なども意識したカリキュラムを組んでいる。

　例えば、国が求める運動習慣の目標には、週2日30分以上の目安がある。ただ、多くの人にとって、ハードルが高いと感じる。講座では、業務中の姿勢や階段の昇降など、生活の中で無理なく取り入れられる範囲から意識できる実践法を提案する。資格取得を通じて健康意識の底上げを図り、健康寿命の延伸に寄与することを目指す。

　カリキュラムは、理論編と実技編で構成。対面講座(税込13万5000円)のほか、コロナ禍でeラーニング講座(同8万8000円)も開始した。割引価格で受講できるモニター受講、団体受講も展開する。

　企業における健康企画への反映、コールセンターのカスタマーサービスの充実など、事業活動において業務や会話の幅を広げるための活用、従業員満足の向上に向けた福利厚生など、健康経営のサポートへの活用も提案する。

　今後、取得資格者向けのセミナーやワークショップ、健康ツアーなど情報交流の場を充実させていく。