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ニッセン、書店のデジタルサイネージ拡大

2010年12月16日 17:44

 ニッセンは出版関連企業向けシステム提供を行う光和コンピューターと組み、書店設置のデジタルサイネージ(電子看板)を使った広告事業の展開拡大に乗り出した。雑誌等で扱う商品や書店イベントの広告などを掲載するもので、12月13日から設置店舗数を順次拡大。書店のカタログ配布で強みを持つ自社の特徴を活かしたBtoB向け事業として育成するとともに、自社通販での活用も進める構えだ。

 ニッセン等が展開するデジタルサイネージ「ほんやチャンネル」は、書店に設置した端末に雑誌や書籍、DVDなど書店で扱う商品の広告や店舗で行うイベントの情報などをオンラインネットワーク経由で配信する。

 端末のサイズは、高さ約75センチメートル×幅約50センチメートル×奥行き約77センチメートルで、15型液晶ディスプレイやLEDディスプレイ、内蔵スピーカーを搭載。「フェリカ」対応機能も装備し、「おサイフケータイ」対応の携帯電話を使ったクーポン発行などもできる。また、時間帯や地域に応じて広告内容を変えることができるため、設置場所の立地特性、来店客層などに応じた展開をしやすいのが特徴だ。

 「ほんやチャンネル」については、昨年10月から首都圏の書店約50店舗でテストを実施。テストで放映した商材などの詳細は公表していないが、化粧品通販実施企業も利用したという。この際に広告放映対象商品の売り上げが伸びるなどの効果が見られたことから、設置店舗数を拡大することにした。まず、年内から年明けにかけて設置店舗数を首都圏の150店に広げ、来年度中には関東地区で300店体制を構築する計画だ。

 当初は、出版取次ぎ大手の日本出版販売およびデジタルサイネージ関連事業を手掛けるストリートメディアと組んでの展開だったが、設置店舗の拡大に当たっては、光和コンピューターと連携。ニッセンが広告出稿依頼の受け付けなど、光和コンピューターが機器の保守などを担当する。広告出稿などの料金体系は、現状非公表としている。

 ニッセンは「ほんやチャンネル」について、BtoBの新規事業として育成を進める一方、自社で行う書店での無料通販カタログの配布でも活用していく考え。地域や時間帯などに応じた情報配信ができる「ほんやチャンネル」の特徴を活かしたピックアップ率向上策や、購入促進策の展開なども視野に入れているようだ。

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