ライバルはアマゾン

2012年07月19日 12:24

2012年07月19日 12:24

 「『フェイスブックやモバゲーが流行ってるらしいから、うちでもやってみろ』と上から命令されただけじゃないの」。ヤマダ電機の通販事業に関わったことがある業界関係者は、同社の新サービス「ヤマダ電機マルチSNS」や「ヤマダゲーム」をこう評する。「上層部は店づくりには精通しているが、通販やネットの世界のことは何も分かっていない」とも。

 ベスト電器を買収し、売上高が2兆円を超えた同社。だが、通販関連では失敗続きなのは確か。2006年に参入したテレビ通販は早々に撤退。昨年開始した「ヤマダモール」は「流通額を聞いて1店舗の売上高かと思った」(先の関係者)というほどの惨状だ。

 新サービスは、利用することで同社ポイントが貯まることをアピールするとみられる。ただ、同様にポイントを売りにしたヤマダモールは今のところうまくいってない。実店舗の知名度に頼るだけでは同じ轍を踏みかねない。さらなる工夫が必要になるだろう。

 ヤマダの幹部は「ライバルはアマゾン」と口にする。今のところ国内売上高ではヤマダが大きくリードしているが、アマゾンのバイイングパワーは脅威。さらに拡大していくことが確実のアマゾンにどう対抗するか。

 合従連衡が進む家電量販業界だが、真のライバルはアマゾンなのかもしれない。ヤマダの取り組みは今度こそ成功するか。注目したい。

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