本紙が7月に行った通販・通教の売上高調査によると、上位250社の売上高は、前回調査から約6%増となった。同時に調査を実施した化粧品、健康食品、食品の各ジャンルはいずれも2桁の大幅増。この差異をどう見ればいいのか▼上位40社の売上高の増減率をみると、減収となっている企業が目立つ。その一方で、新たに調査対象に加わったネット専業は数多い。つまり、市場が拡大したというよりも、通販という販売手法を採用する企業が増えているといった方が正しいのだろう▼これまで市場をけん引してきた大手カタログ通販や、百貨店などの老舗企業にとって、競合の増加は逆風だ。ユニクロなど有名小売のネット販売拡大は、店舗販売と通販をボーダーレス化しつつある。通販の強みである「値ごろ感」が失われているのだ▼こうした状況が業界再編の呼び水となりそうだ。あるカタログ大手の幹部は「キリンとサントリーが統合する時代だから」と苦笑いしつつも、一方で「弱者連合では意味がない」とも指摘する。弱い部分を補完しあう統合が理想だが、縮小するカタログという荷物を抱えた総合通販同士ではそれも難しい▼とはいえ、大手もどこも行き詰まり感が漂っているのが実情。通販が販売形態の1つに過ぎない以上、業種の枠を超えた統合や再編が加速しそう。生き残りをかけた正念場はこれからだ。
本紙が7月に行った通販・通教の売上高調査によると、上位250社の売上高は、前回調査から約6%増となった。同時に調査を実施した化粧品、健康食品、食品の各ジャンルはいずれも2桁の大幅増。この差異をどう見ればいいのか▼上位40社の売上高の増減率をみると、減収となっている企業が目立つ。その一方で、新たに調査対象に加わったネット専業は数多い。つまり、市場が拡大したというよりも、通販という販売手法を採用する企業が増えているといった方が正しいのだろう▼これまで市場をけん引してきた大手カタログ通販や、百貨店などの老舗企業にとって、競合の増加は逆風だ。ユニクロなど有名小売のネット販売拡大は、店舗販売と通販をボーダーレス化しつつある。通販の強みである「値ごろ感」が失われているのだ▼こうした状況が業界再編の呼び水となりそうだ。あるカタログ大手の幹部は「キリンとサントリーが統合する時代だから」と苦笑いしつつも、一方で「弱者連合では意味がない」とも指摘する。弱い部分を補完しあう統合が理想だが、縮小するカタログという荷物を抱えた総合通販同士ではそれも難しい▼とはいえ、大手もどこも行き詰まり感が漂っているのが実情。通販が販売形態の1つに過ぎない以上、業種の枠を超えた統合や再編が加速しそう。生き残りをかけた正念場はこれからだ。