巧妙な厚労省

2013年10月18日 10:56

2013年10月18日 10:56

 厚生労働省が設置した「スイッチ直後品目等の検討・検証に関する専門家会合」(専門家会合)が報告書を取りまとめた。これを受けた一般紙やテレビなどの報道は、すでにネット販売でのスイッチ直後品目の取り扱い禁止が決まったかのような内容だ

▼専門家会合の報告書にはネット販売に関する直接的な記述はなく、厚労省でも、当該品目のネット販売での扱いは決まっていないとする。だが、公開で行われた2回の会合での委員のやり取りを見れば、専門家会合としてのネット販売禁止のスタンスは明らか。報告書でも、それが汲み取れる表現が散見される

▼専門家会合の報告書を前提に考えれば、ネット販売に何らかの縛りが掛かることになるはず。問題はその方法だが、医療用からのスイッチ後、一定期間が経過していない品目の取り扱いを認めないという形が有力のようだ

▼これを示唆するのは、報告書でリスク確定期間の短縮について言及している点。ネット販売に販売禁止期間の縛りを掛ける代わりに、期間短縮を検討するということでネット販売事業者側の反発をかわす考えらしい

▼規制改革会議などに、本筋から外れた議論の問題を指摘された専門家会合。指摘に対処したように見せながら、いかようにも捉えられる表現を使い、さりげなくネット販売禁止の意向を盛り込む書きぶりは、巧妙と言わざるを得ない。
 

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