米ワービーパーカーのオムニ戦略に注目
2015年03月12日 10:06
2015年03月12日 10:06
米国大手ビジネス誌のファストカンパニー社は2月、毎年恒例のイノベーティブ企業の世界ランキングを発表。アップルやグーグルを抑えて1位になったのが、設立数年のメガネ通販企業「ワービーパーカー(米国)」だ▼同社は低価格の自社ブランドメガネをネットで扱い、特徴として在庫を持たない実店舗も運営している。来店者は店内のサンプルを試着して検眼などを受けてから店のPCを使ってその場でネット注文。数日以内に商品が届く仕組み▼在庫がないため店舗面積は通常のメガネ店の約半分で、立地も目抜き通りではなくビルの2階など人目の付きにくい場所にある。これは店舗の運営費を抑えて坪単価当たりの利益率を高める狙いがあるという▼同社を視察した日本企業によると、店内には博物館のように同社を紹介するコーナーや、来店者を記念撮影して写真を贈る企画もある。これらの様子は自社サイトで発信するほか来店者のSNSでも拡散されるため、ネットのくちコミだけで十分に集客が出来ているという。レジ設備やバックヤード人員、店舗からの集金作業がないことも魅力だ▼日本にあるオムニチャネルを一歩進めた形だが、この手法を使えば小資本の通販企業でも低コストで多店舗展開できるメリットがある。すでに米国では導入企業が増えており、日本でも目を付けている企業がいるようだ。