▼世界経済後退の引き金となったリーマンショックから、1年が経過しようとしている。この間、消費者の低価格志向、節約志向が顕在化し、アパレルではユニクロの1人勝ちが目立った。「商品の回転が速くてロープライス」なファストファッションが人気を博し、不況下にもかかわらず海外勢の日本進出も相次いだ
▼そのほかの小売り各社も、消費喚起を目的にさまざまな施策を実行してきた。総合スーパーなどを中心に「下取りセール」が活況を呈した時期もあった
▼しかし、業種にかかわらず、消費喚起や集客の目玉として最も多くの企業が取り組んだのは「値下げ」だろう。家具や雑貨などの生活用品ではニトリが昨年春に「値下げ宣言」し、今年8月までに計6回、それぞれ数百品目の値下げに踏み切ったことは、競合以外の小売りにもインパクトを与えた
▼通販実施企業にとっても、低価格志向の影響は大きい。景況感に対する本紙調査では、今後も厳しい状況が続くとする見方が強く、カタログ各社の今下期の拡販戦略も、価格訴求に頼る部分が多いようだ
▼ただ、既存商品の価格を引き下げる場合、中国生産へのシフト加速や、物流改革によるコスト削減効果など、「なぜ値下げできたか」を消費者に伝えることも必要かもしれない。従来価格との整合性がなければ、消費者の不信感を買うことにもなりかねない。
▼世界経済後退の引き金となったリーマンショックから、1年が経過しようとしている。この間、消費者の低価格志向、節約志向が顕在化し、アパレルではユニクロの1人勝ちが目立った。「商品の回転が速くてロープライス」なファストファッションが人気を博し、不況下にもかかわらず海外勢の日本進出も相次いだ
▼そのほかの小売り各社も、消費喚起を目的にさまざまな施策を実行してきた。総合スーパーなどを中心に「下取りセール」が活況を呈した時期もあった
▼しかし、業種にかかわらず、消費喚起や集客の目玉として最も多くの企業が取り組んだのは「値下げ」だろう。家具や雑貨などの生活用品ではニトリが昨年春に「値下げ宣言」し、今年8月までに計6回、それぞれ数百品目の値下げに踏み切ったことは、競合以外の小売りにもインパクトを与えた
▼通販実施企業にとっても、低価格志向の影響は大きい。景況感に対する本紙調査では、今後も厳しい状況が続くとする見方が強く、カタログ各社の今下期の拡販戦略も、価格訴求に頼る部分が多いようだ
▼ただ、既存商品の価格を引き下げる場合、中国生産へのシフト加速や、物流改革によるコスト削減効果など、「なぜ値下げできたか」を消費者に伝えることも必要かもしれない。従来価格との整合性がなければ、消費者の不信感を買うことにもなりかねない。