前回に続き、ストリームの市村智樹社長に、近年注力しているプライベートブランド(PB)の現状や、同社の成長戦略などについて聞いた。
◇
――近年はPB「enas(イーネーズ)」にも注力している。
「開発力を持っている社員がいない点が問題だ。私は前職の電響社がメーカー機能を持った商社だったので、PBを作る順序などは分かっている。その経験を踏まえると、考えられないような手順で商品開発がされていた」
――具体的な問題点は。
「コストをかけすぎている。こんな値段で売れるのか? というような値付けになってしまっている。在庫がダブついてしまっているので、まずは適正な在庫にしなければならない。PB以外でも、コスト面でマイナスになっている事業があるので、全部改善していく」
――PBは継続するのか。
「テコ入れしなければいけない。次の商品は、メーカーとしての開発の手順をきちんと踏む必要があるだろう。ただ、原価は生産ロット数に左右されるし、ライバルも多いので、ありきたりなPBを作っても勝てない。他で売っていないような商品を開発できれば、当たったときは大きい」
――その他、コスト削減要因は。
「コールセンターに関して、現在は外注しているが、10月から内製化する。また、3PL事業に関して、倉庫内作業員を直雇用に変えた。どちらも人件費が大幅に減るはずだ」
――前期売上高は302億円だった。今後どう伸ばしていく。
「後発の家電EC企業に売り上げを抜かれているのが現状だ。ただ家電に関しては、今から大きく市場が伸びるという業界ではない。大手量販店も住宅設備事業に力を入れるなど、家電販売以外の事業に取り組んでいる。まだ発表できる段階ではないが、当社も新しい事業に取り組む予定だ。家電ECから離れた分野になるだろう」
「また、ECに関してはTikTok Shopが注目を集めているが、日本で本格的に普及するのは来年になるのではないか。それに向けて基盤づくりをしている。私がエックスワンの社長を務めていた頃に青山のサロンに作ったスタジオを活用し、ライブコマースも展開したい」
――エックスワンに関しては。
「現在、海外向けの営業を進めている。国内だけで伸ばしていくのは難しいので、海外販売に向けて資金を投入していきたい」
――連結売上高はどの程度まで伸ばしていく計画なのか。
「いつまでに、どれくらいの売上高を目指す、という目標を定めるのはあまり意味がないと思う。ただ、売上高500、600億円には到達したいので、やれることはしっかりやっていく」
――取り扱い品目を増やすとのことだったが、具体的には何を扱うのか。
「昨年楽天市場において、『イーベスト CD・DVD館』を、キッチン雑貨を中心とした『テクネ』に刷新した。『安かろう悪かろう』ではなく、本当に品質の良い日本製のキッチン雑貨を売っていこうというコンセプトだ。今後は家具も扱いたい。ただ、当社が製造するわけではないし、大型家具は仕入れも大変なので、ドロップシッピング方式になるだろう」
「やはり、家電は利益率が低いジャンルなので、家電以外の商材を増やすことで、全社の利益率を高めていきたい。今後、国内家電市場がシュリンクしたら会社の売り上げも減ってしまうので、リスクヘッジとして家電以外の商品を扱ったり、EC以外の事業も手掛ける必要がある」
――3PL事業に関しては。
「ほとんど伸びておらず、5年間何をしていたのか、という感じだ。ただ、現状は当社の倉庫にそこまで余裕があるわけではないし、リソースの問題もあるので、すごく力を入れるという考えはない」
――今後の抱負を。
「ECについては、商品ジャンルを拡大しながら、AIを活用することで効率化を進めたい。さらには、EC以外のチャネルを3、4個備えた多角的な会社にしたい。また、当社の認知向上を図るべく、メディア戦略についてもしっかりやっていきたい」(おわり)
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――近年はPB「enas(イーネーズ)」にも注力している。
「開発力を持っている社員がいない点が問題だ。私は前職の電響社がメーカー機能を持った商社だったので、PBを作る順序などは分かっている。その経験を踏まえると、考えられないような手順で商品開発がされていた」
――具体的な問題点は。
「コストをかけすぎている。こんな値段で売れるのか? というような値付けになってしまっている。在庫がダブついてしまっているので、まずは適正な在庫にしなければならない。PB以外でも、コスト面でマイナスになっている事業があるので、全部改善していく」
――PBは継続するのか。
「テコ入れしなければいけない。次の商品は、メーカーとしての開発の手順をきちんと踏む必要があるだろう。ただ、原価は生産ロット数に左右されるし、ライバルも多いので、ありきたりなPBを作っても勝てない。他で売っていないような商品を開発できれば、当たったときは大きい」
――その他、コスト削減要因は。
「コールセンターに関して、現在は外注しているが、10月から内製化する。また、3PL事業に関して、倉庫内作業員を直雇用に変えた。どちらも人件費が大幅に減るはずだ」
――前期売上高は302億円だった。今後どう伸ばしていく。
「後発の家電EC企業に売り上げを抜かれているのが現状だ。ただ家電に関しては、今から大きく市場が伸びるという業界ではない。大手量販店も住宅設備事業に力を入れるなど、家電販売以外の事業に取り組んでいる。まだ発表できる段階ではないが、当社も新しい事業に取り組む予定だ。家電ECから離れた分野になるだろう」
「また、ECに関してはTikTok Shopが注目を集めているが、日本で本格的に普及するのは来年になるのではないか。それに向けて基盤づくりをしている。私がエックスワンの社長を務めていた頃に青山のサロンに作ったスタジオを活用し、ライブコマースも展開したい」
――エックスワンに関しては。
「現在、海外向けの営業を進めている。国内だけで伸ばしていくのは難しいので、海外販売に向けて資金を投入していきたい」
――連結売上高はどの程度まで伸ばしていく計画なのか。
「いつまでに、どれくらいの売上高を目指す、という目標を定めるのはあまり意味がないと思う。ただ、売上高500、600億円には到達したいので、やれることはしっかりやっていく」
――取り扱い品目を増やすとのことだったが、具体的には何を扱うのか。
「昨年楽天市場において、『イーベスト CD・DVD館』を、キッチン雑貨を中心とした『テクネ』に刷新した。『安かろう悪かろう』ではなく、本当に品質の良い日本製のキッチン雑貨を売っていこうというコンセプトだ。今後は家具も扱いたい。ただ、当社が製造するわけではないし、大型家具は仕入れも大変なので、ドロップシッピング方式になるだろう」
「やはり、家電は利益率が低いジャンルなので、家電以外の商材を増やすことで、全社の利益率を高めていきたい。今後、国内家電市場がシュリンクしたら会社の売り上げも減ってしまうので、リスクヘッジとして家電以外の商品を扱ったり、EC以外の事業も手掛ける必要がある」
――3PL事業に関しては。
「ほとんど伸びておらず、5年間何をしていたのか、という感じだ。ただ、現状は当社の倉庫にそこまで余裕があるわけではないし、リソースの問題もあるので、すごく力を入れるという考えはない」
――今後の抱負を。
「ECについては、商品ジャンルを拡大しながら、AIを活用することで効率化を進めたい。さらには、EC以外のチャネルを3、4個備えた多角的な会社にしたい。また、当社の認知向上を図るべく、メディア戦略についてもしっかりやっていきたい」(おわり)