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食品卸の三菱食品、BtoC食品ネット販売開始へ、DGと合弁会社を設立

2012年11月 1日 10:36

大手食品卸の三菱食品(本社・東京都大田区、井上彪社長)はデジタルガレージ(DG=同・東京都渋谷区、林郁グループCEO)と連携し、2013年1月をメドに一般消費者向けの食品ネット販売を開始する。三菱食品の商品調達力とDGのネットマーケティングや決済機能などを融合した試みで、三菱食品は自らネット販売を行うことで、小売事業者に対する提案力を強化する考え。まず、加工食品や酒類などの商品約1万6000アイテムを展開し、初年度で5億円の売り上げを目指す。

今回の食品ネット販売は、三菱食品とDGの合弁会社・(株)FOOZA(フーザ)を通じて展開する。資本金は1億円で出資比率は三菱食品が66%、DGが34%。社長には三菱食品開発本部副本部長の山本泰生氏が就き、山本氏を含め5人(三菱食品から3人、DGから3人)の体制で来年1月中旬から営業を開始する予定だ。

 三菱食品では、中期戦略の中でネットの推進を標ぼう。今回の食品ネット販売はこの一環となるもので、関連したネットマーケティングや決済などの機能を模索する中で、DGと組むことを決めたという。

 展開に当たっては、三菱食品が食に関連したコンテンツの提供や配送、商品調達などを担当し、DGは、広告や決済プラットフォームの提供のほか、ソーシャルメディアを活用したマーケティングなどで新設する会員制食品通販サイトの利用促進を図る。

 三菱食品では、かねてからGMSや食品スーパーなどの取引先に対し、消費者のライフスタイルを意識した商品提案に取り組んできたが、今回の食品ネット販売でもこの考え方を踏襲。新設する通販サイトでは、食に敏感な主婦層をターゲットとし、食に関する情報提供のほか、商材・品目名だけでなくイベントなどでも商品を検索できるよう工夫した。例えば、"ひな祭り"で検索した場合、甘酒や散らし寿司に必要な材料などが抽出されるイメージで、さらに親子やママ友同士の集まりなど利用シーンも意識。生活シーン切りの商品提案により「新たな発見をしてもらう」(三菱食品)ことを狙った。

 受注商品については、三菱食品が神奈川県厚木市に設置するネット販売対応の専用物流拠点「首都圏ネット対応DC」(12年12月上旬稼動予定)から全国に発送する仕組みで、顧客への商品配達は注文の翌日から1週間程度。同センターは、ドロップシッピング機能や物流加工機能を装備した拠点で、まず加工食品や菓子、酒類約1万6000アイテム(予定)でスタートし、順次、取扱商品を拡大する意向で、通販サイトは日用雑貨なども扱う総合的な展開を目指すとする。

 ネットでの食品購入が広がり、有力GMSや食品スーパーなどがネットの取り組みを強化しているが、食品卸側もネットに対応した小売への提案力が問われている。この1、2年、食品卸の間でネット専任部署を設けるなどの動きが活発化しているのもその表れだが、三菱食品は、一般消費者向けの食品ネット販売を手掛けることで、小売側への提案力を強化。今後、ネットでの食品購入がさらに進んでいきそうだ。


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