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楽天マート  「遅配」で苦情相次ぐ、エリア拡大が裏目か

2013年 3月22日 16:48

 7-1.jpg「ずっと利用したいと思っていましたが、もうこりごりです。二度と利用しません」「こんなやからにネットスーパーを名乗って欲しくない。二度と利用しないのはもちろん、事業から撤退しろ!」「あきれてものが言えません。楽天市場はヘビーユーザーなのですが、今後ネット通販の利用先も考え直そうかと思います」。

 消費者から、こんな怒りの声が殺到したのは「価格.com」のくちコミ掲示板だ。トピックスのタイトルは「最悪の楽天マート」。楽天子会社の楽天マートが展開するネットスーパー「楽天マート」に対する苦情というわけだ。同様に、楽天市場の「楽天マート」商品情報に設けられたくちコミ欄にも、多数の苦情が書き込まれた。

 原因は注文した商品が届かないこと。掲示板には「配達予定日になっても届かず、それどころか再配達予定日が過ぎても音沙汰がない」などという消費者の声が書き込まれた。楽天マートのコールセンターに電話してもつながらず、中には遅配の連絡すら来ないケースもあったという。

 遅配の原因は、11日の配送エリア拡大にあるとみられる。板橋区・練馬区など都内13区と埼玉県4市に限られていたエリアを、23区全域、多摩地区(20市)、横浜市(11区)、川崎市、千葉県6市の71となる区・市に拡大。これに伴い「初日(11日)から想定をはるかに超える注文があり、商品の調達や物流の手配等が対応できなかった」(楽天マート)。さらには12日にも注文が殺到し、前日から振り替えた再配達の商品と配送予定の商品が重なり「事態を悪化させる展開となった」(同)。また、コールセンターは3倍の人員を配置したものの、苦情の殺到で迅速な対応ができなかったという。

 楽天マートは東京都板橋区に一日あたり1000~2000件の出荷が可能な物流センターを設置。エリア拡大にあわせて、東京都、神奈川県、千葉県に6つの配送拠点体制を整備したとしている。8日には楽天がエコ配と提携し、楽天マートの東京における配送体制の強化のための協業を開始しているが、「現状で楽天マートの配送を請け負っているのは葛飾店だけ。遅延などのクレームは(葛飾店には)来ていない」(エコ配広報担当)という。

 ある食品宅配事業者は、今回の遅配問題について「エリア拡大は慎重に行うのが鉄則。配送事業者に問題があったというよりは、急激に広げたことでパンクしたのではないか」と指摘する。例え配送の人員が足りていたとしても、トラックの積載量には限度がある。また、ドライバーが配送地域に不慣れなことも多く、道を間違えたり一方通行を見落としたりするなど、小さなミスが重なることで大きな遅れにつながってしまう、というわけだ。

 楽天マートでは、プラチナ会員以上の楽天市場会員は月額費用(210円)を無料とするなど、優良顧客の利用を見込んだ特典も用意している。ただ、今回のようなトラブルが起きると、楽天マートの再利用が見込めないだけではなく、楽天市場での購買意欲を削ぐことにもなりかねない。

 関係筋によると、楽天では楽天マートについて「これまで展開してきたサービスは、スタートからすぐに規模拡大に向かう傾向があったが、(楽天マートに関しては)慎重に事業を進めたい」とコメントしていたという。ポスティングのほか駅構内でのポスター広告などを行なってきたが、急激な拡大に加え、こうした積極的な広告展開があだとなったようだ。

 楽天マートでは11日から13日の注文のうち、配送されなかった、もしくは一部商品しか配送されなかった消費者に対し、商品配送を停止。商品代金と配送料を無料としたほか、注文代金分の楽天スーパーポイントに加え、1000ポイントを付与するとしている。

 なお、本紙では楽天に対し遅延の発生した件数や対応策などを聞いたが、「貴社からの取材をお受けすることはできない」(楽天市場事業PR推進グループの塩崎祐之氏)として取材を拒否したため、商品調達や物流に関する今後の対策は不明。ただ、ネットスーパーは競合の多い事業だけに、消費者の信頼を取り戻すための道のりは険しそうだ。

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