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日本郵便の不適切点呼 全国7割で不正が発覚、今後はカメラ記録で映像確認も

2025年 5月 1日 12:00

 日本郵便は4月23日、1月に発覚した郵便局での不正点呼問題を受けて調査を行ったところ、全国の調査対象郵便局の7割以上で点呼に不備が生じていたことを明らかにした。

 対象となる郵便局では、飲酒運転撲滅の対策として、貨物自動車運送事業関係法令で定められた点呼によるアルコールチェックが義務付けられている。今年1月下旬には、近畿支社管内の小野郵便局(東条旧集配センター)において点呼業務を実施しないまま配達業務を行った事案が発覚。それを受けて、近畿支社管内の同規模の集配郵便局(旧集配センター・マネジメント統合局)の1月24~30日の1週間での点呼業務執行状況を確認したところ、期間中、1回でも何らかの不備があった郵便局が140局あったことが分かった。

 その後、全国の郵便局において点呼業務執行状況の調査を実施したところ、対象となる3188局の内、75%に当たる2391局で不適切な点呼が判明。適切な点呼は726局、不明は65局という結果だった。

 調査では「周囲もやっていないから、自分もやらなくていい」、「点呼は面倒だから管理者がいるときのみやっていた」、「業務繁忙の時は行わなかった」という声を多く確認。また、飲酒をしない社員からは、「自分は飲酒しないのでアルコールチェックは不要だと思っていた」といった意見も多く見られた。中には「勤務時間中に飲酒をする社員がいるはずはない」という思い込みから、その必要性が十分に認識されておらず、アルコールチェックの実施率が低くなっていたが、実際には戸塚郵便局で勤務時間中の飲酒運転事案が発生。誤った認識であった上に、それを改善させるまでに至らなかったという。形式的に書類が整っていれば検査などでも発覚しないとの考えから、点呼を実施していないにもかかわらず、点呼記録簿は作成するという行為も散見されたという。

 問題の原因として、郵便局管理者が適正な点呼が行われているかを管理する意識が希薄であったために現状の把握が疎かになっていたことに加え、不備を感知した際も是正指導や本社支社への報告が行われなかったことがあったと見ている。

 再発防止に向けては、これまで点呼の実際の執行状況を事後的に確認する手段は点呼記録簿とヒアリングのみであったが、今年4月以降、点呼は局内の防犯カメラに映る位置で必ず対面で実施することとし、執行状況を映像証跡により確認できるようにした。さらに管理者が定期的にカメラ映像を確認することで、点呼が実際に適切に行われていることを把握することとしている。
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